塩屋天体観測所東経135度子午線を訪ねて
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日本標準時とは?

世界時と日本標準時

 海外旅行に行かれると、その土地その土地ごとに違った時刻を使っているのを体験すると思います。直接海外に行かずとも、テレビのニュースやスポーツの中継で、自然に時差を経験していることでしょう。

 地球は1日1回自転しています。地球から見ると、太陽は24時間かけて地球を360度ひと周りしていることになりますが、1時間あたりにすると、地球上の経度15度分ずつ、動いていることになります。

 ある場所で太陽が南中する午後0時を迎えていると、そこより15度西側の地点では、まだ太陽が南中する前の午前11時。逆に15度東側の地点では太陽が傾き始めた午後1時になります。ということで、地球上では経度15度あたり、1時間の時差が生じます。

 イギリスのグリニッジ天文台を通る子午線が経度を測るときの基準とされていますが、これを本初子午線といいます。時刻の場合も、本初子午線上の時刻を世界の標準時として使用するよう取り決められています。

 各地の時間については、基本的に本初子午線から東西に15度離れるごとに、世界時に1時間の時差を加減して定めていきます。東に向かう場合は15度ごとに1時間ずつ加えていき、西に向かう場合は15度ごとに1時間ずつ減らしていきます。

 日本では1886(明治19)年に、世界時に9時間加えた時刻となる東経135度子午線上の時刻を自国の標準時として定めました。その時の勅令を以下に示しておきます。

明治十九年勅令第五十一号(本初子午線経度計算方及標準時ノ件)
(明治十九年七月十三日勅令第五十一号)

一英国グリニツチ天文台子午儀ノ中心ヲ経過スル子午線ヲ以テ経度ノ本初子午線トス
一経度ハ本初子午線ヨリ起算シ東西各百八十度ニ至リ東経ヲ正トシ西経ヲ負トス
一明治二十一年一月一日ヨリ東経百三十五度ノ子午線ノ時ヲ以テ本邦一般ノ標準時ト定ム

標準時を定めているわけ

 関東地方のほぼ中央を東経140度子午線が通っています。日本標準時の東経135度子午線とは5度の差がありますが、先程述べたとおり、15度で1時間の時差があることからすると、20分の時差があるはずです。実際太陽の南中する時刻を調べてみると、確かに日本標準時より20分早くなっています。

 また沖縄の八重山諸島の付近を東経125度子午線が通っていますが、こちらは日本標準時子午線と10度の差がありますので、、太陽の南中する時間は日本標準時より40分遅くなります。

 かつてはそれぞれの地域で、太陽が南中する時間を正午とする地方時を用いていたのですが、遠距離間での鉄道や電信など高速の輸送・通信手段が発達するようになると、各地でバラバラの時刻を用いているのはいかにも不便になりました。そのため一定の地域ごとに標準時を定めて、その地域内では同じ時刻を採用するようになったのです。

 日本の場合は国内で一つの標準時ですが、アメリカのように大きな国土を持つ国では本土だけで東部・中部・中西部・西部の4つの標準時があり、加えてアラスカとハワイの合計6つの標準時を採用しています。

【参考資料】
『明石市立天文科学館の40年』,明石市立天文科学館編(2000)
「おぼえておきたい基礎知識」,アストロアーツホームページ
「法令データ提供システム」,総務省行政管理局

(2001.10.1記)

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