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流星電波観測ことはじめ・観測編

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ノイズとの戦い 2002年11月5日

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November 2002
03                                                     %7  4  9  3  1  0  2
                                                                           
04  17 15 18  7 10 14 10  8  5%11 IF 11  4  2  1  4  0  1 %0  4 %4  3  0  0
        1                             1                                    
05   0  0 %4  4  5  2  1  3  2  2  0  1  4  0  0 %3  0  0  0  2  0 %2  0  0
 電波観測に馴染みのない方には少し見慣れない表ですが、おつきあいのほどを。
 3日夕方から始めた電波観測の試験運用。一時間毎の流星数(HR)をまとめたのが上の表。「%」がついているのはノイズなどで観測時間が一時間に満たなかったものを、HR換算したもの。「IF」は妨害電波でデータがないもの。日付毎に2行のデータがあるが、たまにしか数字の入っていない下の行が、10秒以上のエコーが続いたロングエコーの数である。

 4日の夜半から明け方にかけては、散在流星だけでHR10〜20弱の盛況ぶり。少しはおうし群も入っているのかな。
 ところが4日の深夜から、パタリとエコー数が少なくなった。
 試験運用ということで、途中で信号レベルを調整したりしていたのだが、どうも原因不明のノイズが入るようになり、急におかしくなってしまった。

 部屋の中でノイズ源になりそうなもの……パソコンのモニタ、テレビ、電気ポット、冷蔵庫、蛍光灯、コンポと、順番に電源を切ってみたのだが、一向に改善の兆しなし。受信機の位置も変えてみるが、やはりだめ。

 一体全体、どうしたことか。

SOS 2002年11月6日

 E-mailで配信される「『流星の電波観測』配信サービス」というメールマガジンがある。
 最後の所に毎回入っている一行「なお,ご質問などはお気軽にお寄せください。」。

 これに甘えまして、上記のノイズの原因を小川宏さんにお聞きしてみた。
 早速お返事をいただき、アンテナの向きが原因ではないか、とのこと。

 6日朝の時点で、試験運用は一時中断。アンテナを直すまで、しばしお休み。

再び屋根の上 2002年11月7日

 アンテナを張り直すため、再び屋根の上へ。

 大阪湾の向こうに昇る、オリオンやシリウスの姿がよく見える。風は穏やかだが、空は澄んでいて、上を見たらうお座のエータ星が見えた。うお座の星が見えるとは、またまたご機嫌な空。でもこんな日に屋根の上でアンテナ張りとは……

 屋根の南の電線を避ける向きに、ダイポールアンテナを張り直した。HRO送信局のある福井県・鯖江の方向から少しずれるので、感度は落ちるが、やむを得ない。

 これが良かったのかどうか、ノイズの入感も減り、流星エコーも再び入りだした。

 結局あとから考えると、ノイズが多いために受信機の出力を下げ過ぎたため、結果的に流星エコーも入感しなくなってしまった、というのが原因らしい。アンテナの向きを変えてノイズが減った分、受信機の出力も適宜調整することができ、流星エコーも再び観測できるようになった、という次第。

 何事も、トライ&エラーの積み重ね。

アンテナ工事 2002年11月13日

 自作ダイポールアンテナの調子が日に日に悪くなっていくので、組み立てたまま部屋に放置してあったHB9CVアンテナの設営を決意。14日からしし群の活動期にはいるので、ぎりぎりの決断。
 ホームセンターで針金やターンバックルを買い込み、帰宅後再び屋根上にあがる。
 最初の作業で、アンテナポールのステーの張り直し。
 二度目の作業でアンテナの取り付け。
 作業時間は1〜2時間といったところ。

 部屋に戻って、電波観測のパソコン画面を見てみると、明らかにノイズが減り、エコーの数が増えている。垂直方向の利得があがった効果だろう。このまま試験運用を兼ね、何事もなければしし群の迎撃体制に入る。
ここまで使ったお金……約\21,300-
2万円を少し超えちゃった(^_^;

18日のしし座流星群 2002年11月18日

 午前3時に起きようと思っていたのだが、布団の誘惑に抗しきれず、外にでるまで一時間。

 垂水区塩屋町では、霞がかかっていて、3.5等星くらいまでしか見えない状態。
 4時5分から30分粘ったが、成果0……
 寒くてそそくさと家に引き返した。

 1965年回帰時のダストトレイルは5時過ぎの遭遇予定だったが、不発に終わった模様。電波観測にもかからず。

19日のしし座流星群 2002年11月19日

 近所の駐車場で4:41〜5:21の40分間粘ったが、垂水でも薄雲で、雲間からの流星。-1等と1等級の群流星が2つだけ。

 薄明まで頑張るつもりだったが、雲が広がってきたので帰宅。

 部屋に戻って、電波観測でびっくり。
 ポーン、ポーンと流星が反射した電波の音がたくさん聞こえる。
 夜が明けてからどんどん数が増えてきた。

http://www.h2.dion.co.jp/~kazuf/sao/hro/2002leo.htm

 クライマックスはこれから。地球の裏側だけど。(^^;

しし座流星群2002 当日のコメント・2002年11月19〜20日

 明け方からエコーが急上昇中です。(2002.11.19 7:00)

 7公転トレイルの接近へ向けてこのままエコーが増えるのか、放射点が沈むにつれて静まるのか……出勤前の最後の更新です。(2002.11.19 9:00)

 明け方から午前中にかけて、最初のピークがありました。ヨーロッパではこのあと大出現したそうです。(2002.11.19 20:45)

 19日20:40〜20日0:40まで2時間ほど外に出たのですが、期待していた長経路流星は見ることが出来ませんでした。(2002.11.20)

 アメリカに留学中の友人から、北アメリカでの19日朝(現地時間)の大出現レポートが届きました。(2002.11.21)

 世間をわかせたしし群も、そろそろ今回の活動の終焉の時期が近づいてきました。(2002.11.22)

 というわけで、すっかり楽しませてもらった。
 もうこれだけで2万円の元は取ったという感じ。そのままふたご群になだれ込んだのは言うまでもない。

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