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PENTAX タンクローG 8×24 (UCF G)


■購入のきっかけ

 7×50双眼鏡だと大きくて持ち運びに不便なので、旅行や携帯用に小型の双眼鏡がほしいと思って購入。2002年現在、現行の「タンクローX」の一つ前のモデルです。

■スペック

双眼鏡:PENTAX 8×24 UCF G 双眼鏡
 (倍率8倍 口径24mm 実視界6.2° 見かけ視界 約50° ひとみ径3.0mm アイレリーフ15mm 明るさ9.0 最短合焦点距離2.8m 高さ×幅×厚み 103×111×48mm 質量270g(0.27kg))

■最初の印象

 小さい軽いコンパクト。実はさらにコンパクトタイプの「タンクローM」(現行はタンクローQ)とどちらにしようか迷ったのですが、眼鏡をかけたときの覗きやすさでこちらにしました。アイレリーフで13mmと15mmのわずか2mmの差なのですが、意外に大きな影響があります(個人差もあるでしょう)。タンクローMは幅(上写真で左右幅)が一緒で、高さ(上の写真で上下幅)が2cm強短くなります。

■機動性

 軽いのでリュックに放り込んで、携帯しています。旅行に行ったときなど、いつでも取り出せるので便利です。対物キャップは元々ないのですが、接眼レンズのキャップも付けないでソフトケースに入れ、持ち歩いています。キャップをなくす心配をしないで済みますし、特にレンズに傷が付いたことはありません。

■操作性

 ピント合わせは使いやすいCF(中央繰り出し)式。視度調整はピント合わせの中央転輪と同軸に付いています。面白い仕組みですが、少々回しにくく感じます。もっとも頻繁に使うものではないので、不用意に動かす心配がないのは長所ともいえます。
 接眼レンズ側は回転スライド式の見口で、メガネ使用時と裸眼時でアイポイントの調整が簡単に出来ます。自分の場合、眼鏡常用者なのであまり意味がないのですが、他人に貸すときは便利です。

■光学系

 口径が24mmしかないので、もともと天文用に買ったわけではありません。
 普通の景色を見ている分には、なかなかの見え味。見かけ視界が少し狭い気もしますが、それほど気になるものでもありません。欠点を書いてしまうと、逆光下では視野が全体に白けてしまうのと、明るい光源を視野に入れるとゴーストが出やすいことがあります。でも値段を考えると、とても良くできた双眼鏡だと思います。
 ほとんど遊びがてらに天体を見たことがあるのですが、これも意外に使えることが分かりました。

●月
 海の模様がはっきり見えるのはもちろん、欠け際の大きなクレーターも分かります。天文歴のない友人に覗かせたら「わぁ〜すげぇ」と、何分も見入っていました。地球照や月と惑星の接近など、充分楽しめます。
●木星・土星
 木星のガリレオ衛星が見えないかと思って試したことがありますが、これは残念ながら見えませんでした。土星も楕円形には見えません。きちんと三脚に固定すれば別でしょうが、手軽さが身上の双眼鏡ですから、そこまでして確認しようというものでもありません。ま、それはそれで良しとしましょう。
●星雲・星団
 街中では肉眼で確認しにくいM31やM42など、口径24mmのタンクローでちゃんとボーっとした姿を確認できます。ひとみ径が3mmほどなので、意外に街中での星見特性が高いのかもしれません。2002年春の池谷・張彗星で試しましたが、明るめの彗星の確認用にも使えます。もっとも、ちゃんと観察しようと思うと、やっぱりもう少し大きな口径が欲しくなりますが……

 星見用として購入をお勧めするものではないですが(天体用なら口径が最低30mmは欲しいですね)、手元にあるなら天体用に試してみて損はないです。旅行先でちょっと星を見たくなったときなど、意外に便利です。

■これまでの感想と今後の展開

 というわけで、星見用に買ったわけではないのですが、たまに星見にも使っているタンクローG。使用頻度は7×50双眼鏡を大きく引き離し、気楽に使える機械としては、値段も含め、良くできているものだと思います。
 最近、コンパクトタイプのタンクローMの後継機「タンクローQ」を母にプレゼントしたのですが、試しに覗いてみたら、覗きやすさは心なしかタンクローMより良くなっていて、「一年待ったらこれ買ってたかもなぁ」と思いました。ちなみにタンクローGの後継機「タンクローX」は、見たところそれほど大きな違いは感じられませんでした。個人的にはデザインの点でタンクローGの方が好きですが……

ペンタックス

(2002.7.9記)


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