塩屋天体観測所切手の星空
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星座の切手

 きちんと星座をかたどった切手が日本でも発行されているのをご存じですか? 種類は多くありませんが、星好きの心をくすぐるデザインのものばかり。なんだか嬉しくなってしまいますね。

万国郵便連合加入75年記念

万国郵便連合加入75年記念・北斗

 万国郵便連合(UPU)は1874年に結成された国際機関でスイスのベルンに本拠を置いています。国際郵便についての世界共通ルールを定めているところで、例えば日本の切手を貼った手紙が外国に届けられるのも、UPUの規約のおかげ。現在は国連の専門機関になっています。

 日本がUPUに加入したのは1877年。実はこの年、九州一帯では西南戦争が起こっています。政府の屋台骨を揺るがす内乱の一方で、必死に国際社会に地歩を築こうとする明治日本の姿が垣間見えるようです。

 切手は1952年に加入75年を迎えた記念に発行されたもの。額面の1000は千円ではなく、10円00銭のこと。アンダーライン部は銭の位を表しています。地球の背景に北斗七星を配したデザインです。ひしゃくの口から三番目のデルタ星は本物同様、一段暗く描かれれているのが芸の細かいところ(二重星のミザール・アルコアは、さすがに分離していません)。

(1952.2.19発行)

万国郵便連合加入75年記念

万国郵便連合加入75年記念・南十字

  同じく万国郵便連合加入75年の記念切手。額面10円の北斗七星図案と同時に発行されたもので、こちらは南十字星が描かれています。

 こちらは北斗七星と違って、星の明るさが全て等しく描かれているほか、星の周囲に十字の光芒が描かれているのが特徴です。

 紫の色調や前景の船のシルエットと相まって、南天への憧れを感じる意匠です。

(1952.2.19発行)

東京天文台創設75年記念

東京天文台創設75年記念

 東京天文台の正式名称は、「東京大学東京天文台」。現在の国立天文台の前身です。1878年に東京大学理学部観象台として発足し、それから75周年の記念切手。

 切手は国立天文台三鷹キャンパスの「大赤道儀ドームと星座」。ドームから覗いているのはカール・ツァイス製65cm屈折望遠鏡で、国内最大の屈折望遠鏡です。現在は観測の一線から退いていますが、国立天文台の一般見学コースに入っているので、外観見学は可能です。望遠鏡自体もいつでも使えるような状態に保たれているそうです。

 星座は、中央の北極星を挟んで、カシオペアと北斗七星が向かい合っています。

(1953.10.29発行)

国立科学博物館100年記念

国立科学博物館100年記念

 国立科学博物館は、東京・上野にあります。明治維新の3年後、1871年に湯島聖堂内に作った博物館が前身で、上野に移った1877年が創立年となっています。

 切手の図案は「フタバスズキリュウの骨格復元図と星座を描き国立博物館を配す」。フタバスズキリュウは1868年に福島県で発見された首長竜で、日本で発掘された中生代の大形爬虫類の代表的な存在。骨格標本は国立科学博物館に展示されています。人気アニメ『ドラえもん』の映画第一作となった『のび太の恐竜』に登場するのが、このフタバスズキリュウです。

 フタバスズキリュウの背中の上に描かれているのがカシオペア座。もう一つ、科学博物館の建物(現:日本館)の上には北極星。カシオペアの逆W字の星の並びから、きちんとたどることが出来るようになっています。

(1977.11.2発行)

東京天文台100年記念

東京天文台100年記念

 切手の図案は「反射望遠鏡と星座」。

 望遠鏡は設置当時東洋最大だった岡山天体物理観測所の188cm反射望遠鏡。ドームのスリットの向こうには、オリオン座が輝いています。ベテルギウスとリゲルもきちんと色分けされています。

(1978.10.29発行)

 描かれた星座は、北斗七星とカシオペア、そして北極星が2回ずつ。オリオン・南十字が1回ずつ。なじみのある、または知名度の高い星座ばかりですね。

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