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野外天体観測会
2002年8月10〜11日


 2002年度の野外天体観測会は、8月10〜11日の日程で、兵庫県は神埼郡日高町のペンション「アルビレオ」に出かけました。

 私が持っていったカメラは取り出した早々、電池切れ……途中で購入することもかなわず、自分の写真は一枚も撮っていません(泣)。ご紹介するのは後から頂いた集合写真です。参加者総勢33人。今回は家族連れの方も多く、子どもたちの声が元気に響き渡る観測会でした。

アルビレオで記念写真

8月10日(土) 雨→曇ときどき晴

★明石出発

 天文科学館を出発するときは、なんと雨がぱらついていました。
 実はこの一週間、天気予報では土日に傘マークが付きっぱなし。それが直前になって曇の予報になり、もしかしたら晴れるかも……という望みを抱いての出発でした。 
 
★姫路科学館・アトムの館

 姫路科学館は、市の郊外の山間部にあります。ドーム径27mの兵庫県最大のプラネタリウムがあります。ミノルタのインフィニウム・アルファが納入されています。
 「明石のプラネタリウムは球(恒星投影球)が2つなのに、姫路のは何で1つなんですか?」とは翌朝の座談会での小学生のツッコミ。するどい。
 プラネタリウムでは家族番組の「カッパの河太郎」を見学。「屁のカッパ〜♪」と、ドームの中におならの音が響き渡る驚異の番組。プラネであれだけ屁を扱きまくるのは前代未聞でしょう。

 館内では特別展「世界のカブトムシ・クワガタ大集合」の開催中で、子どもたちが喜んで遊んでいました。巨大な「ヘラクレスカブトムシ」「アトラスカブトムシ」にはビックリ。ギリシャ神話の登場人物の名を冠したことだけはあります。
カッパの河太郎
 
★播但道北上

 姫路科学館見学のあと、播但自動車道を一路北へひた走ります。
 車中では自己紹介タイム。名前と一緒に、いちばん印象に残っている星、今夜みたい星を語り合いました。
 窓の外を見ていると、雲の切れ間から青空が覗きはじめているではありませんか。これはいけるかも!!
  
★アルビレオの夜

 夕方までの時間を利用して、天文科学館の井上さんから、今夜見える星たちの解説。と、星の友の会会員による天体望遠鏡の使い方講座が行われました。

 夕飯はなんとフレンチです。そうとは知らず、最初の野菜煮込みだけでパンをバクバク食べていた私って……(このパンも美味かった)。肉が出てきた頃にはお腹いっぱい状態。
 夕飯を食べている最中に、西の窓から金星が姿を見せました。ご飯の後はさっそく観望会です。
 
★アルビレオの深夜

 ペンション屋上のドームには60cm反射望遠鏡が収まっています。2班に分かれての観望会。前半組はドームの中にいる間中。曇りっぱなし。後半組はみごとなM13球状星団を観望しました。私は前半組……

 庭のテニスコートでは、天文科学館と参加者個人の持ち込んだ望遠鏡が並んでの観望会。ブルーシートも敷かれてペルセウス座流星群観望準備もばっちりです。雲が切れたり切れなかったりというお天気で、満天の星空、というわけにはいきませんでしたが、晴れ間には明石では見えないような星たちがキラキラ。星が見えすぎて星座が分からないという人も。

 少し離れたアルビレオ第2天文台では、彗星捜索に使われているフジノン15cm双眼鏡でM13やM31、二重星団を観望しました。ほとんど化け物のような機材です。
 
★アルビレオの真夜中

 疲れた人から一人、二人と寝床の中へ。
 日付が変わった頃は十数人くらいが生き残っていました。中には元気な小学生のお兄さんもおりまして、夜中の2時過ぎまで周りの大人たちを質問責めにしていました。
 「将来の夢は宇宙飛行士だったけど、天文学者もいいなと思った」とは、次の日の彼の感想。あんまり方向性は変わってないぞ(笑)。

 午前2時を回ると雲が広がりはじめ、ブルーシートも片付けて、撤収の準備にかかります。それでも残っていたのは5人ほど。
 3時頃になると、再び雲が切れ始めます。東の空に、土星が昇りはじめました。低空の大気の影響で、ユラユラとうごめく視野の中、しっかりとリングを捉えることが出来ます。何度見ても飽きません。
 明け方まで粘ったもう一つのご褒美に、c/2002 O6 SWAN彗星が登場です(観測会当日は正式名称がなく、通称「鈴木彗星」でした)。重い思いをして運んだ12cm双眼鏡の視野に、ボーっとコマが広がっている姿が浮かびます。
 ときに3時半。この人たち、翌日ヘロヘロになっていたのは言うまでもありません。
 

8月10日(土) 晴ときどき曇

★バルーンようか

 翌日午前中は、みんなで座談会。一番多く流星を見た人は、13個くらい見ていたそうです(私は8個)。十人十色で他人の視点からみる星空の感じ方もまた、面白いものです。

 午後は八鹿町の天文施設、「バルーンようか」を訪問しました。
 私、アルビレオを出てからすぐに寝てしまったので、いつの間にか着いていました。ただし、バスが着いたのは下の駐車場。徒歩10分とは聞いておりましたが、山道を10分とは聞いていませんでした。あはは。

 汗かきながら登っただけあって、頂上からの眺めは絶景。木造建築の天文館で、居心地もまた素晴らしい。ここではニコン20cm屈折望遠鏡にアダプターをつけて、みんなでプロミネンスを観望しました。ここはなんでもボランティアの方々で運営されているのだとか。「これ(20cm屈折)でみる惑星はすごいですよ〜。来年(2003年)は火星の大接近ですからねぇ。楽しみですねぇ」だって。いいなぁ。

バルーンようか前にて
 
 帰りはバスの中で大ビンゴ大会。
 途中休憩を挟んで、気がついたときは既に明石市内でした(また爆睡していたらしい)。
 そんなわけで、まずまずの成果の野外天体観測会でした。

(2002年8月10〜11日/2002年9月11日記)

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