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天文春分祭(てんもんはるまつり)
「ガリレオの望遠鏡を見よう」の巻

2003年3月21日


 2003年3月21〜23日、明石市立天文科学館では「天文春分祭(てんもんはるまつり)」が行われました。
 いろんなイベントが行われたのですが、ここでは「ガリレオの望遠鏡を見よう」をご紹介します。


 ガリレオ=ガリレイは16〜17世紀にかけて活躍した物理・天文学者。地動説を唱え「それでも地球は動いている」と言ったとか、言わないとか。1610年からは前年に開発した天体望遠鏡を空へ向け、木星の衛星や月のクレーター、天の川が星の集まりであることなど、さまざまな発見を成し遂げました。

 ガリレオが使用した望遠鏡はその名の通り「ガリレオ式望遠鏡」と呼ばれています。
 対物レンズに凸レンズ、接眼レンズに凹レンズを使用したもので、正立像が得られますが、高倍率が得にくく、視野も狭くなりがちなため、現在ではあまり天体用に使われることはありません。でも、人類史上始めて宇宙を手元に引き寄せたこのガリレオの望遠鏡、どんな風に見えたのか、興味がわきませんか?


 明石市立天文科学館の展示物に、このガリレオ望遠鏡があります……といっても精巧なレプリカ(模造品)なのですが、ちゃんとレンズも入っていて、400年前のガリレオと同じ眺めを楽しむことが出来ます。

 今回の「天文春分祭」では、実際にこのガリレオ望遠鏡を持ち出して、景色や星を、眺めたのでした。 
 というわけで、4階の日時計広場に持ち出したガリレオ望遠鏡。架台はさすがに400年前と同じもの、というわけにもいかず、現代の三脚を利用しています。

 まずばびっくりするほど、筒が長い!!
 見に来た人も、すぐには望遠鏡と分からないくらい、異様な姿です。 
ガリレオ望遠鏡観望
 
ガリレオ望遠鏡対物部 ガリレオ望遠鏡接眼部
 こちら、望遠鏡の対物部と接眼部です。

 左の写真が対物レンズ。って、フードの陰になって見えませんけど、口径4cmくらいだったと思います。もちろん単レンズ……のはず。

 右の写真が接眼部。接眼レンズは単純な抜き差し式で、ラックピニオンやヘリコイドといった調整装置はありません。微妙なピントあわせは、ちょっとやりにくいです。
 
ガリレオ望遠鏡ひとみ径  こちら、接眼レンズを覗いた様子の写真です。ちょこっと中心からずれていますが、ご愛敬ということで。

 真ん中に、白い光が見えていますが、これが見えている景色です。実はこれ、実際に覗いているのと、とっても似た雰囲気です。五円玉を腕いっぱいのばして、その穴を覗いているくらいの視野です。

 これでも肉眼で覗くと、淡路島の電波塔が分かります。
 ん〜、でも、これで観察するのは至難の業かも。 
 
ガリレオ望遠鏡観望風景1 ガリレオ望遠鏡観望風景2
 午後のひととき、こうしてガリレオ望遠鏡で、昼間の景色を眺めました。
 奥には口径7.8cmの現在の天体望遠鏡を持ち出して、太陽黒点を観測……するつもりが、この日に限って、小さな黒点しか出ていなかったんですよね。数日前まで肉眼黒点が出ていたのに。
 
夜間のガリレオ望遠鏡  この日の夜は臨時天体観測会。
 4階の日時計広場に再びガリレオ望遠鏡を持ち出して、こんどは天体観測にチャレンジです。

 で、どんなふうに見えたかというと、

木星……ガリレオ衛星はちゃんとみえた、そうです。星の友の会の会員、4人で見ましたが、実は私、よく分かりませんでした。他の3人はちゃんと確認したそうです。

土星……環が見えるといえば見えるのですが、これはとっても微妙なところ。というのは、私たち、環があると知って覗いているんですよね。確かに楕円形で、本体と違うものが両脇に見えているのは分かるのですが、これを初めてみて確実に「環」と言い切れるかどうか?
 
 いや、ガリレオ望遠鏡。面白かったです。
 本ではいろいろ読んだことありましたけど、実際に見てみて感じること、たくさんあります。
 機会があったら、みなさんもぜひ、チャレンジしてみましょう。

(2003年3月21日/2003年4月9日記)

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