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2006年度野外天体観測会(冬季)
2007年2月24日・25日

 やってきました、西はりま天文台。総勢34名が参加した冬の野外天体観測会です。

兵庫県立西はりま天文台

 兵庫県立西はりま天文台は、言わずと知れた日本最大の天体望遠鏡「なゆた」を抱える公開天文台です。星の友の会では2004年度(2005年)から、毎年2月か3月に訪問しています(2006年は昼間の訪問)。

 写真は宿泊したグループ用ロッジ。天文台の本館からは少し離れているのですが、前に広場があり、そこでも十分、星見が楽しめます。本当はキャンプファイヤーなどをするためのものなのでしょうけど、照明もしっかり光害対策がなされていて、「ここで星見してもいいか」という気になってしまいます。

 天文台が所有する「貸し出し用望遠鏡」も2台借りました。本来なら団体の代表数名が使い方を習うそうですが、今回は太っ腹にも全員参加の講習会です。ちなみに望遠鏡はBORG77。軽くてコンパクトで、使いやすかったです。

 右の写真は、夕食の鍋。5人ごとに一つの鍋が割り当てられるのですが、用意された食材の量が半端ではありません。成人男子5名のテーブルで食べきれないというのは、あまりにも豪勢すぎます(女性や子どものテーブルではどうなっていたのでしょう!?)。お腹いっぱいで、星見より先に眠気が襲ってくるのではないかという、恐るべき鍋でした。

なゆたの観望会

 

 ご飯を食べてほっと一息。19:30からは「なゆた」での観望会です。

 土曜日ということもあり、宿泊者以外にも多くの来館者がいて、2班に分かれての観望会となりました。最初に1階スタディルームで今晩の観望のガイダンス。その後、望遠鏡観望組と、テラスでの星空観察組に別れます。星の友の会の一行はテラス組。

 上弦の月の月明かりこそありますが、透明度がよいので、思っていたより多くの星々が見えます。右の写真はコンパとデジカメで撮った冬の大三角。右のシルエットはなゆたドームです。

 南の地平線上には、雲間からカノープスも見えました。

※私の使っているコンパクトデジカメは、CanonのPowerShotA70という2003年発売の機種で、高感度は全く不得手です。天体写真というと肉眼より何倍もたくさんの星が写っているものですが、このカメラでは肉眼の数分の一の星しか写りません。

なゆた

 制御室には「那由他」と大きく墨書された紙が貼られています。上手いのか下手なのか、私ごときの眼では分かりません(笑)。

 来館者が直接天体を見ることが出来る接眼部が付いているのが、「なゆた」最大の特徴です。日本最大の天体望遠鏡というだけでなく、公開望遠鏡として世界一を誇るゆえんです。

 この日は、月とM42と土星を観望しました。

 暴力的に明るい月! 覗いたあと、しばらく目がチカチカしました。

 水素ガスの雲が編み目のベールのように輝くM42。全体がグリーンをまとって天の羽衣のようです。圧巻。トラペジウムなんて5つ見えるのです。

 やっぱり明るい土星。シーイングが今ひとつということで、シャープさこそありませんでしたが、衛星がたくさん見えていました。

 観望会終了後は、なゆたの片付け……ではなくて、次の観測の準備風景を見学させていただきました。銀色の丸いタンクは、魔法のランプならぬ、液体窒素の入った魔法瓶。観測機器に液体窒素を注ぎ込んで冷却するのだそうです。

 右の写真は、最重要備品とのうわさもあるてるてる坊主。冬季用のマフラー仕様です。

サテライトドーム

 西はりま天文台にはサテライトドームという設備があり、26cmまたは20cm反射望遠鏡の入ったドームを借りることが出来ます。今回は26cm鏡の入ったドームをお借りしました。

 元気いっぱいの子どもたちが「ドーム乗っ取り計画」と称して天体望遠鏡の占拠を試みますが(笑)、さすがに交代で大人が貼り付きました(苦笑)。それにしても、小学生のうちから26cmの望遠鏡にさわれるなんてうらやましすぎだぞ。私など、中学卒業までずっと6cm屈折一本だったのに。

 ドームの外にはお借りしたBORG77二台と、参加者持ち込みのドブソニアンが並びます。

 そして芝生に寝ころんで、星座をたどる人たち。普段はプラネタリウムでしか見ることの出来ない星々を、この日は本物の星空で楽しみます。

 私は午前3時過ぎまで起きていましたが、どうも今回も徹夜した人がいたみたいです。元気ですねぇ。

2日目

 左は食堂の看板。長生きしそうな名前です。右はミュージアムショップ「twinkle」。科学館のミュージアムショップというと、金太郎飴のように何処でも似たようなグッズが並んでいることが多いのですが、ここはなかなか面白い品揃えをしています。みんなで群がっていました(笑)。

講演会

 2日目10:30からは、天文台の飯塚亮さんの講演会。

 前の日に夜更かしして、遅い朝食を食べたあとという、睡魔を呼び込む絶好のタイミングの講演会でしたが(なんてスケジュールだ)、話が面白かったので、みんな熱心に聞いていたようです。質疑応答が活発で、10分も時間延長してしまいました。

 ちなみに飯塚さんは、すざくのX線望遠鏡製作に携わってこられた方。宇宙開発の最前線の話題とクイズを交えた、興味深いお話でした。ちなみに私、クイズは5問全問正解しました。

おしまい

 おかげで、帰りの記憶はありません。気が付いたら、明石でした。それにしても、最近の野外天体観測会は、なんだかんだと晴れてくれます。いい傾向です。

河野さん(明石市立天文科学館 活動日記)
福原さん(この街の空にも星は輝く)

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