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観測所雑記帳 Jan.2002
名古屋市科学館 2002年1月4日
茨城の田舎から神戸に戻る最中、名古屋市科学館に寄ってみた。お目当ては今や国内唯一となってしまったカール・ツアイスのツアイスIV型プラネタリウム。国内唯一といったって、もともと日本に2台しかなかった機械なのだが。
1月4日午前11時の回は名古屋市科学館プラネタリウムの2002年初投影。ドームに入ると、真ん中にデーンとツアイスIV型が鎮座している。恒星投影機に襟巻を巻いた姿は、明石のツアイス・イエナUPP23/3型より一回り大きいような感じがして、がっちりした印象を受ける。五島より5年若いといっても、今年で40歳になる機械だ。投影される星空は、ちょっとホッとするような独特の美しさがあって、他の最新鋭機を見た後でも全く色あせない。
って機械ばかりほめていても仕方ないのだが、番組も面白くて、夜行列車で3〜4時間しか寝ないで来たにも関わらず、一睡もすることなく、最後の最後まで引き込まれてしまった。
プラネタリウムの下の階ではしし群のビデオ上映をやっていて、8分くらいの番組だったけど、画面を火球が横切るたびに昨年11月19日早朝の興奮がよみがえってきて、一人で感動していた。もう1ヶ月半も過ぎてるのにね。
天文雑誌 2002年1月4日
「星ナビ」「月刊天文」「天文ガイド」の天文雑誌3誌を買いそろえてしまった。同じ月の号を揃えてしまったのは初めての経験。
前身の「SKY WATCHER」の時代から、基本的に「星ナビ」ばかりだったのだが、実は初めて買った天文雑誌は「天文ガイド」だった。小学4年の冬のこと。広告が半分で、当たり前のことだが小学4年生には中身が難しくて、2回買って読むのを止めてしまった。その後、表紙のきれいだった「SKY
WATCHER」に出会うのだが、当時表紙に書かれていた「アウトドア派の天文情報誌」の「アウトドア」の意味が分からず、怖くて3ヶ月くらい買いそびれ続けた。まだ「SKY
WATCHER」が創刊して1年も立っていない頃で、記事も比較的平易で、結局そのまま大学生の頃まで愛読者となってしまった。星好きになるのがもう少し遅かったら違った付き合いをしていたのかもしれないけれど、最初の印象は、案外後々まで続いてしまうものである。
その後も「天文ガイド」は立ち読みはするのだが、微妙にとっつきにくい印象があって、付き合い切れていない。数年前に一度買ったときは、広告目当てに近かったしなぁ。眺めている分には飽きないんやけど……
「月刊天文」は置いてある本屋が少なくて、立ち読みするのも大変なのだが、たまに面白い切り口の記事があって、重宝している。記事のレベルがすごくバラバラなのがちょっと惜しい。
ただ3誌とも、中身に目を通すのに数時間くらいで足りてしまう程度のボリュームしかないのが物足りない。もうちょっと、中身があればいいんやけどねぇ。特に「星ナビ」や「天文ガイド」は定価で700円もして、俺の小学生の頃の倍近くもするのだから、もう少し楽しませてくれてもいいような気がする。だいたい俺の場合、高校生の頃までは500円の雑誌を買うのにも苦労していたので、今の天文少年(死語!?)のことを考えると、値段設定もなんとかならんものかと思う。それとも最近の子どもは裕福なのかなぁ。
ワイドビノ 2002年1月23日
笠井トレーディング扱いのオペラグラス「ワイドビノ」を手に入れてしまった。昨年来購入した3台目の双眼鏡である。もっとも7×50以外は8×24のタンクローと2.3×40のこのワイドビノなので、小口径ばかりだ。
2.3倍というのは、ちょっと覗いただけでは倍率がかかっているのかどうか怪しいような低倍率で、対象物を拡大する目的だったら、ちょっと物足りないだろう。売れなくて本家のロシアで製造中止になったのも分かるような気がする。話によると3群4枚のレンズを使った光学系だというから恐れ入る。コストがかかりすぎたのだろう。
これで星空を見るということを誰が思いついたのかは知らないが、ガリレオ式にしては奢った光学系が幸いして、立派に星見の役に立ってくれる。なにせ実視界が公称28度。実際、北斗七星がちょうど視野に収まるのだから、たいしたものだ。オリオンやふたご、おおいぬなど、冬の主立った星座がそれぞれ視野に収まるくらい。見かけ視界は普通の双眼鏡と大して変わらないので、印象としてはほとんど等倍で眺めている感覚に近い。ただし、集光力がある分、星の数だけは倍以上になるから面白い。街中でも6等星まで余裕で見えるので、ちょうど星座をたどるのに最適である。ちょうど小学生の頃、星座をたどるのが楽しくて星空を眺めたのと同じような気持ちで空を眺めることが出来る。
もっとも、ガリレオ式なので、視界を確保しようとすると目を相当アイピースに近づけなければならず、メガネの使用は出来ないことはないが、まず無理。裸眼だと右目が相当きつい近視のうえ乱視が入っているため、きっちりとはピントが合わない。必ずしも性能が生かし切れないのがもったいないが、それを差し引いても十分面白い道具である。しばらく楽しめそうだ。
土星食 2002年1月25日
1月25日未明の土星食。前日は風邪で仕事を休んでいたというのに、大人しくしていたのが功を奏してか、夕方には体調がほぼ回復し、仮眠した後、家から徒歩3分の駐車場に望遠鏡を担いで観望した。
潜入は余裕で見ていたのだが、その後月が建物の影に沈んでしまい、あわてて望遠鏡を担いで西空の開けたところを探して歩き回る始末。軽いSWIIセットで助かった。シーイングの悪さには閉口したが、普段あんな強風下であんな低高度の月・惑星なんて見ないから、それはそれで面白かった。
普段は何とも思わないのに、月ってあんなに速く動いてるものかと改めて感心した。土星が隠れだしたら、あっという間。それにしても、月と土星が同じ視野に見えているというのは、何とも贅沢な眺めだった。
デジカメかビデオの撮影が出来たらと思っていたのだが、準備が面倒かつ条件が悪そうだったので、早々に断念。神戸新聞の夕刊に星の友の会の四元さんが写真撮影に成功された記事が紹介されていて、さすがと思った。
びっくり仰天 2002年1月27日
調べものがあって、今年初めて明石市立天文科学館へ。
科学館はプラネタリウムがオーバーホール中で、代わりに16階の天体観測室が昼間も公開されている。最初は予定になかったのだけど、晴れてきたので覗いてみようか、と思ったのが運命のいたずら(?)の始まりだった。
他のお客さんと一緒に雲間からプロミネンスを見ている最中、学芸員の井上さんに「さいとうさん今日来てるんですよ」と声をかけられた。
「さいとうさん?」って誰かと思ったが、五プラ私設ファンクラブの斎藤美和さんだと気付くまで、ちょっと時間がかかった。「これからお昼一緒に食べるので、福田さんもどうですか?」と誘われて、お供させて頂くことにした。2階のロビーで待つこと数分、井上さんとともに現れたのは、素敵な女性とダンディーな紳士。女性がみわさんなのはすぐ分かったが、男性は、あれ、どこかでお見かけしたことのある顔やけど……えっと、あっ、まさか、元五プラ解説員の村松さん!?
「はじめまして」「閉館の際はお世話になりました」
みわさんとお会いして驚いている上に、村松さんまで明石でお会いできるとは思ってもいなかったので、びっくり仰天。プラネタリウムがお休みなのになんでまた関東から……と不思議だったのだが、オーバーホールに来ているツアイスの技師の方と面識があるとのこと。なるほどねぇ。食事の間も館に戻るまでも、ずっと緊張しっぱなしでしたが、いろいろなお話をお聞かせ頂いて、とても楽しかったです。
取材ということで、きちんと挨拶もせずにお別れしてしまったのですが、みなさまお世話になりました。
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