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観測所雑記帳 Oct.2002
ホームページ開設1周年 2002年10月1日
「塩屋天体観測所」ホームページ開設1周年を迎えました。
今後ともよろしくお願いいたします。
スプートニク1号 2002年10月4日
人類初の人工衛星「スプートニク1号」が打ち上げられてから、今日で45年。
たった45年で、お金さえあれば宇宙へ観光旅行すら出来るようになってしまったとは、考えてみればすごいことだと思う。
今日の天気は、曇り。人工衛星の一つでも見えれば、「遠い空の向こうに」想いを馳せようと思っていたのだけれど。
天文雑誌 2002年10月5日
「星ナビ」「天文ガイド」発売日。今月は星ナビのしし群の観測特集が面白かった。流星の電波観測は、理屈だけは知っていたけれど、実践方法を読んだのは実は初めて。なかなか面白そうだった。しかし、いくら筑波大学が空き地だらけとはいえ、学内であんなアンテナ立てて撮影して雑誌にまで載ってしまって……あのアンテナも自作できたらもっと安くあがりそうだけど、けっこう精度がいるのかな?
「天文ガイド」のドームの話もまあまあだったけど、私には縁のない世界でした(^_^;)。紹介されていた自作ドームの記事で「品質的には市販品より劣るかもしれない」みたいな表現をしてたけど、これは一言多かったかも。既製品より素晴らしい自作品だってたくさんあるのだから。
それにしても、両誌とも立ち読みで主要部を読み終えてしまうような内容量。値段の割にはボリュームが少ない気がするのだが、そんな価格設定にせざるを得ないほど天文人口も少ないということなのか。ちなみに今月は「月刊天文」は見かけなかった。2日に本屋に立ち寄ったのだけど、売り切れてたのかな?
アマチュア無線 2002年10月6日
「流星電波観測ガイドブック」が三宮のジュンク堂に並んでいたので手に取ってみたら、出版元がCQ出版社だった。アマチュア無線関連の書籍を出している会社なのだが、中をパラパラめくったら、天文の本というより無線の本を読んでいるみたいで(そりゃそうだ)、とりあえず買わずに帰ってきてしまった。
実は高校生の時、部員が少ないからと「電波部」に入れられたことがあり、電話級のアマチュア無線免許を持っている(←幼稚園児でも取れるらしい)。もっとも、もう10年くらい出ていないペーパー無線士なのだが、久しぶりに「CQ
ham radio」という無線雑誌を手に取ってみたら、なんと当時の半分くらいの薄さ。インターネットや携帯電話の普及でアマチュア無線人口がずいぶん減ったと聞いてはいたのだが、こんな形で実感しようとは思わなかった。
天文趣味もそのうちそんなになってしまうのかしらん。高齢化が進んでいるって、よく聞く話だし。
流星電波観測 2002年10月9日
「星ナビ」で紹介されていたITEC製のHRO(Ham
Radio obsarvation)受信機。結局、注文してしまった。
電話に出た女性の方も「『星ナビ』とかいう雑誌ご覧になられたんですか?」と向こうから聞いてこられて、やっぱり同じこと考える人が多いのだろう。
2週間待ち、とのことだったが、もともとそんなに売れる製品でなし、そりゃ一度に問い合わせが集中したらそうなるだろう。しし群に間に合う納期になっているのがえらいと思った。普段の出荷数を考えると、たぶん手作業で組み立てているのではないだろうか。
というわけで、「流星電波観測ガイドブック」も買ってしまった。
残るは我がアパートに上げるアンテナの作成。TVアンテナが各戸毎に林立しているのと、すぐ脇を電線が通っているため、とても全幅3m弱もある八木アンテナを立てるスペースがない。ダイポールアンテナかループアンテナを作ることになりそうなのだが、さて。
受信機よりも、アンテナの方がむしろしし群に間に合わないかも……
まぁ、気長に楽しもう。
ノーベル賞 2002年10月9日
カミオカンデの小柴さんがノーベル物理学賞を受賞された。天文物理学の人、と聞いても実は最初ピンとこなかったのだが、カミオカンデの話が出てきて、あ〜と思った。この人だったか。なるほどね。
今日は職場でおめでとうを言われてしまった。俺はただの星好きなのだが、一般の人から見たら星見も天文学も一緒らしい(?)。まぁいいや。
M74の見える空 2002年10月11日
M74(うお座の銀河)の観測に成功。「観測」といっても、この眼で確認しただけなのだが。
8月上旬から2ヶ月間もチャレンジし続けてきただけに、やっとこさの思いもひとしお。
「むずかしい対象で、暗い空と最低倍率ではじめてその存在がわかる」とは、『フィールド版スカイアトラス』のコメント。どんなもんだ、塩屋の空も、捨てたものではない。
もっとも、これを3月の西の空で見る自信はさすがにないので、メシエマラソン完走は難しいかな。
10-11日の晩は、8月上旬以来の最高の透明度。オリオン大星雲など、XL5.2mmの123倍の視野では、視野をはみ出すほど羽が広がって見えた。
前途多難 2002年10月12日
HRO用のアンテナ自作の勉強のため、本屋でアマチュア無線のアンテナの本を立ち読み。
インピーダンス? SWR? えーっと、その、なに?
言葉は聞いたことあるのだが、中身はきれいに忘れていて、何が何だかさっぱり分からない。間に合うか?
しし群!?
宵の明星 2002年10月13日
久しぶりに夕方自宅にいたので、内合間際の金星を見ようとした。結果、日暮近くになって湧き出た雲に阻まれた。実は半月状までの金星は見たことがあっても、三日月型になった金星を見たことがない。いいチャンスだと思ったのだけど、残念。
小惑星物語 2002年10月14日
連休2日目、よく晴れていたのでサイクリングがてら、明石市立天文科学館に出かけた。
考えてみれば、ちゃんとプラネタリウムを見るのは2ヶ月ぶり。久しぶりにツアイス投影機のドームスクリーンの星空を堪能した。番組も小惑星なら、特別展も小惑星と隕石がテーマ。(5881)Akashi発見時のネガ原盤があったり、見応え十分。近くの方は是非どうぞ。
初カノープス 2002年10月17日
明け方の空、今期初のカノープスを見た。
透明度は並だったので、7×50のファインダーでしか見えなかったが、低空の大気のせいで真っ赤な姿。光度は4等級相当といったところ。酔っぱらっておられました。
めでたい、めでたい。
好シーイング 2002年10月17日
街中にいるくせに、星雲・星団ばかり追っかけているので、星を見るのは多少風が強くても、透明度の良い日を優先的に選んでしまう。
ところが今日は、透明度は並だった代わりに、空気が落ち着いていて、もんのすごくよく惑星が見えた。
木星は縞模様がウネウネしてるし、(恥ずかしながら)生まれて初めて大赤班まで見た。大赤班というが、ぜんぜん赤くない。あれでは「大白斑」だ。赤い目玉みたいなもんだと思っていたのが、間違いだった。
天頂近くにいた土星はカシニの隙間が全周見え、本体の縞模様も見えた。輪に本体の陰が落ちているのもはっきり見えた。なんというか、天井に描かれた絵が貼り付いているような、それくらい落ち着いて見えた。
これだけ惑星が見えるのなら、EDやフローライトの鏡筒で見てみたかったなぁ。
肉眼水星 2002年10月17日
陽の昇る前、思い出したように水星を見ようと思った。13日に西方最大離角を迎えたばかりで、明け方の東の空で見やすくなっているはずだ。
すっかり空は明るくなって、見えている星は木星くらい。水星はどうかと思い、地平線近くから7×50双眼鏡で探していったら、あっという間に見つかった。よく見たら、肉眼でも見つかった。
5月の西空の惑星集合で見たときは、双眼鏡でしか見ることができなかったので、肉眼で見たのはいつ以来だろうと思ったら、考えてみたら中学生以来……10数年ぶりだった。
窓際天体観測所 2002年10月24日
部屋の東の窓からは東天がよく見える。ちょうど家もなく、大阪湾が見渡せる方向なので、晴れていれば部屋から夜空も見渡せる。いや、見渡せる……というのは誇張表現で、垣間見る、といった程度。
ちょうど時期柄、夜遅くなると土星が昇ってきて、気が向けば窓から望遠鏡でリングをまとった姿を見ることが出来る。ただし、これはお風呂に入るまでのこと。実はこの窓、風呂釜の上にあるので、お風呂を沸かしてしまうとシーイングがメロメロに……
HRO受信機到着 2002年10月28日
HRO受信機が到着。
ジャンクで買った12V電源をつないで動作確認。とりあえず動いてはいるようだ(実は最初に電源の極性を間違えた)。
アンテナがないので、手元にあったいらなくなった導線を53.750MHzの1/4λに切って、アンテナ端子に突っ込む。とりあえずノイズだけ聞こえる。調子に乗って余っていたTV用の同軸ケーブルの先端に1/4λに切った導線を2本つけてダイポールアンテナにし、受信機につなぐ。「ザッザッ」という周期的な雑音が入るが、流星エコーは全く入らない。室内だから当たり前。
とりあえず窓の外にアンテナを出してみた。いきなりノイズの量が4倍くらいに跳ね上がる。
1時間ほど放っておいたが、結局エコーの入感はなし。
アンテナとは名ばかりで、まぁ針金をつなげただけなのと同じだから、まずは仕方のないところ。
HRO調整2日目 2002年10月29日
そのまま一晩放って、夜にたまった受信データを朝チェック。やっぱりエコーは入っていない。
試しにアンテナを家から少し離して張ってみたら、ノイズはだいぶ減った。もっとも家の下は公道なので、中途半端な張り方をすると危険なため、すぐ元に戻してしまった。
仮のアンテナを張ったアパートの窓、実は南向きでHROの電波が出ている福井県鯖江市とは反対方向。しかも直上に電線が通っているので、もともと流星エコーを観測できる環境ではない。もしかしたらと試してみたのだが、やっぱりアカンらしい。
アパートの屋根の上に使っていないTVアンテナの支柱があったので、大家さんにお願いしたら使わせてもらえることになった。いよいよ本格的にアンテナを張る羽目になりそうだ。
……それにしても、梯子ないのに、どうやって2階の屋根に登ろうか。
いや、ちゃんとしたアンテナと同軸ケーブルを用意する方が先か。大阪行かなアカンのやろなぁ。
夏の大三角 2002年10月29日
夕方5時を過ぎるとすっかり暗くなってしまう。
事務所で空を見上げたら、真上に夏の大三角がかかっていた。
27日から急に寒くなり、もはや夕方はウインドブレーカーでもかぶっていないと外にいられない。
こんな時期になってまで「夏の大三角」はないだろうと、毎年毎年、思ってしまう。
仕事帰りの東の空。カペラが煌々と輝いていた。季節感があるのかないのか分からなくなってしまう、そんな晩秋の空。
HRO調整2日目の夜 2002年10月29日
ノイズの原因をいろいろ探ってみたが、どうもはっきりしない。PCのモニタがある程度のノイズ源になっていることは分かっていたのだが、これはアンテナを部屋から離すことである程度解決した。TVや冷蔵庫や蛍光灯は特に影響なし。PC本体もあまり関係ないようだ。部屋の電気製品の使用状況とは無関係に発生しているので、なんともし難い。あとはアンテナの位置を抜本的に変えるくらいか。なにせ今の位置がむちゃくちゃなのだから。
せっかく透明度の良い晩だったのに、気がついたら下弦過ぎの月が出ていた。
もっとも今日はむちゃくちゃ冷え込んだので、外に出るには相当覚悟がいったけど。
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