塩屋天体観測所で観測されたノイズ画像のいくつかを紹介します。
(ナマのままだと重いので、画像を軽くするため色数を落とすなどの画像処理を加えています)
■雷
夏の夕方に発生することが多いのですが、まぁ、いろんな時に発生します。ラジオを聞いているといきに雷が鳴ると「ザザッ」という音が入りますが、HROでも同じ現象が起こります。HROFFTの画面に縦一線に筋が入ります。たくさん入ると流星エコーが観測不能になります。
※縦の筋が雷によるノイズ。横の筋は別のノイズです。
■スポラディックE層(Eスポ)による入感
スポラディックE層(Eスポ)は電離層の一種で、主に5月〜11月の日中に発生します。HROで使っている50MHz帯の電波は普段は電離層を突き抜けてしまいます。ところがEスポが発生するとここで電波が反射されて、普段は届かない遠方にまで送信局の電波が届いてしまいます。
アマチュア無線をやっている方にはふだん交信できない地域とやりとりできる楽しみの一つなのですが、HRO観測者にとっては、流星エコーとかぶって観測不能になるため、頭が痛いものです。
■海外放送
海外の放送がなんで「自然要因」やねん、とつっこまれそうですが、ふだんは電離層を突き抜けるはずの50MHzの電波が、太陽活動が活発になるなどの影響でF層という電離層で跳ね返されるようになって、入感してしまうものです。
日本では50MHz帯が放送に使われることはありませんが、近隣の国ではTVやFM放送に利用されています。スピーカーをつけると、なにやら外国語をしゃべっているような気がします(気がするだけかも)。何種類かパターンがあるようですが、塩屋天体観測所では上のようなパターンが多いです。もちろん流星エコーは観測不能になります。
(2004.2.18 記)