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BORG100鏡筒+F2経緯台


■購入のきっかけ

 メインで使っているBORG100鏡筒の架台を、テレビューF2経緯台に交換しました。

■スペックとシステム

鏡筒:BORG100金属鏡筒
 (口径100mm 焦点距離640mm F6.4 1群2枚アクロマート フルコート 全長530mm 重量2.3kg)
架台:テレビューF2経緯台+コーワ木製三脚
後付けした主なオプション:
 アストロ製7×50暗視野照明付ファインダー、接眼ヘリコイドS、眼視用絞り57φ、眼視用絞り52φ、EMS-S松本式正立ミラーシステム
全重量:約8kg

 架台・三脚をSWIIセットのものから交換しています。観望重視の鏡筒周りは、これまでと同様です。

現在の鏡筒まわりシステム構成(斜字はオプション品)。BORGシリーズ総合カタログ2002年度版のシステムチャートより作成

■最初の印象

 SWIIセットの軽やかな雰囲気と違って、F2経緯台と木製三脚との組み合わせは、意外なほどクラシカルな印象を受けます。「見たことない望遠鏡だね」と言われることもしばしば。ファインダー・鏡筒・アイピース・架台・三脚……と全て違うメーカーのものを組み合わせているので、そう見えても不思議ではないかもしれません。

■機動性

 質量は、6kgほどのSWIIセット(改)と比べて2kg増の約8kg。バッグに収納したときも、BORGのオプションのバッグ(携帯ケースP)一つには収まらず、三脚と経緯台用に別のバッグが必要です。反面、分解する部品の点数が減ったので、組立の手間は、ただでさえ簡単なSWIIセットよりさらに楽になりました。
 自宅近くの観望では2kg程度の重量増は気になりません。さすがに片手で持つわけには行かなくなりましたが……

■操作性

 BORG100アクロマート鏡筒の操作性については、これまでのSWIIセット(改)のページに書いてありますので、そちらを参照ください。ここではF2経緯台の使用感のみ扱います。

●テレビューF2経緯台
 テレビューの鏡筒にセットされているフリーストップ経緯台で、単体でも販売されているものです。
 水平・垂直とも微動なしの架台で、最初はとても不安だったのですが、ショップの方の「200倍くらいでも問題なく追尾できますよ」という言葉を信じて購入しました。実際、普段使っている最高倍率の123倍で惑星を追いかけていても全く問題ありません。
 
◆バランス
 フリーストップの経緯台なので、バランスが命です。原理的には鏡筒の前後・上下のバランスがきちんと合っていれば、どの方向へ向けてもピタッと停まるはずなのですが、実際はアイピースを交換するたびにバランスが狂うので、そう上手くは行きません。鏡筒2.3kgに対し常用アイピースのペンタックスXL5.2〜21mmが約300〜500gあるので、アイピース交換だけで最大20%も質量が変化してしまいます。
◆フリクション(摩擦)
 というわけで、実際は垂直・水平軸のフリクションを調節しながら使うことになります。クランプを兼ねたフリクションの調整つまみがついているので、アイピース交換時はこれを固定して、観望は適度に調節して使います。この「適度」というのが微妙で、水平軸は最初のままで問題ないのですが、垂直軸は緩すぎると鏡筒が上手く停まらず、お辞儀したり上を向いたりしてしまいますし、堅すぎるとスムーズに鏡筒が動いてくれません。軽量なXL10mm・XL21mmでは許容範囲が広いのですが、質量のあるXL5.2mmでは、けっこう微妙な調整が必要です。慣れてしまえば大丈夫ですが、初めのうちは苦労しました。
 このフリクション調節つまみですが、少し小さいような気もします。大きすぎると必要以上の負荷をかけてしまうのかもしれませんが、もう一回りくらい大きい方が使いやすいかと感じます。水平・垂直とも十分手が届き、位置も分かりやすいので実用上は差し支えありませんが。
◆天頂方向
 天頂方向の観望は、ちょうど赤道儀で天の北極付近を見ているような感じでしょうか。他の方角を見る際に比べて、若干の慣れが必要です。
 
 フリーストップ式経緯台といえども、全てがフリーというわけではなく、使いこなすには多少の慣れが必要です。木製三脚と振動吸収性の相性も良いせいか、SWIIセット(改)の片持ちフォーク式赤道儀で目に付く振動は、ほとんど気になりません。慣れてしまえば観望用として、とても使いやすい架台です。

■光学系

 BORG100アクロマート鏡筒の光学系については、これまでのSWIIセット(改)のページに書いてありますので、そちらを参照ください。

●正立ファインダー●松本式正立ミラーシステム(EMS)についての使用感もSWIIセット(改)のページをご覧ください。

■これまでの感想と今後の展開

 お手軽観望を追求して行き着いた組み合わせが今のシステム構成です。
 SWIIセット(改)より若干の質量増はありましたが、持ち運びに支障が出るほどではなく、使い勝手の良さはそれを充分上回っています。もともと鏡筒が軽いので、10cm屈折のセットとしては最も軽量の部類でしょう。
 アクロマートに飽きたらED化を考えるところですが、星雲・星団観望では必要十分の性能ですし、二重星も楽しめ、月・惑星もそこそこ見えるので、しばらくこの構成で楽しめそうです。

 参考までに、BORGの製造・発売元のオアシス・ダイレクトのページとテレビュー・ジャパンのページを紹介しておきます。
 以前のBORGは初心者と写真マニア向けに特化した印象がありましたが、最近は観望派向けの製品も充実してきています。また、かゆいところに手の届くパーツがたくさんそろっているのも特徴です。質問や問い合わせにも丁寧に対応してくれます。
 テレビュー・ジャパンは、短焦点屈折鏡筒にナグラーアイピースなど高級品中心のラインアップの印象ですが、最近は安価なニュートン反射の取り扱いもはじめたようです。望遠鏡やアイピースについての解説・コラムは興味深いものがあります。

(株)トミーテック オアシス・ダイレクト
テレビュー・ジャパン

(2002.9.21記)


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