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ビクセン コスモキッズ



■購入のきっかけ

 ビクセン光学のアウトレットサイトに\2,500-で売りに出されていて、思わず引き取ってしまいました。

■スペックとシステム

鏡筒:口径76mm反射 焦点距離300mm F3.9 マルチコーティングしたパラボラ鏡のこと)
付属品:30倍正立アイピース、架台(ボールマウント)、※ストラップは本体に装着済
質量:1.1kg(本体)

■箱が届いた!

 外箱外観。そのままオモチャ屋さんやホームセンターで売られていそうな雰囲気。  開封。黄色いのが本体。その上のビニールにくるまっているのが、架台とアイピース。

 「外箱を一度開封したのでアウトレット品にした」という案内の品でしたが、中身はきれいなままで、それだけで格安放出するのはもったいないくらいの状態で届きました。箱を開けて袋を開けて組み立てて、一番上の写真の状態になるまで3分かかりません。

■あちこち観察

●主鏡と斜鏡
筒先から覗いたところ 斜鏡スパイダー取付部

 主鏡はバランスを取るための重りを兼ねたセルに収まって、鏡筒の底に取り付けられています。光軸修正装置はなし。黄色い本体も底側は開ける場所がないので、まるっきり手を出せない構造です。斜鏡は1本スパイダーで、セルの背面には3本の光軸修正ネジが付いています。
 基本的に主鏡はがっちり固定して、細かい調整は斜鏡のみで行って出荷しているのだと思います。76mmのF3.9ですから、光軸修正は相当シビアなはずですが、コスモキッズを買う層がここを触ることはまずないでしょう。
 スパイダーは一本なので、うっかり触って曲げたりしないか心配。好き好んで触る人ってマニアだけだと思いますけど(^_^;
 
●付属正立30倍接眼レンズ
とりあえず箱を開ける 外観はこんな感じ
 接眼側から見たところ。こちら側は分解したら、2群3枚ケーニヒ式の構成でした。  こちら対物側から。斜めからだとバローレンズの奥にプリズムの稜線が分かります。

 正立の接眼レンズということで、どんなレンズ構成になっているか調べてみました。銀色に見えるバレルはプラスチック製で、対物側にバローレンズ、その奥にプリズム(ダハ?)が入っています。光束をバローレンズで引き延ばして、プリズムで正立化。接眼側は2枚張り合わせの視野レンズと1枚の眼レンズのケーニヒ式になっています。
 見かけ視界は実測していませんが、見たところ45度くらいです。
 
●回転ヘリコイド式の接眼部
斜めに溝の切られた接眼レンズ 溝にひっかかる接眼部のピン

 接眼レンズのバレルは31.7mm径ですが、斜めに溝が切られています。本体側のスリーブには三方に植毛紙が貼られています。スリーブ内にはプラスチックのピンが突き出ていて、接眼レンズのバレルに切られた溝に合わせて、ヘリコイド式に回転繰り出し/繰り入れを実現しています。動きはまずまずスムーズです。無限遠のピントはかなり奥に差し込んだ状態で合焦します。
 いちおう付属品以外の31.7mm径アイピースも差し込むことが出来るのですが、スリーブ内のピンに邪魔されてあまり奥まで挿入できません。無限遠のピントを出せる接眼レンズはかなり限られるのではないかと思います。
 
●架台
架台 本体を載せたところ
架台に貼られたフェルト 架台の「足」にはゴムラバーが貼ってある

 ボール状の本体の底を浅いお椀型(?)の専用架台に載せて、ボールマウント方式であちこち向けて使うようになっています。30倍程度で使用するなら、どの方向に向けても快適に摺動し、また細かい動きも問題ありません。
 最大の問題は、この架台を置く場所を屋外できちんと確保できるかどうかだと思われます(^_^;
 本体重量1.1kgなので、極端な高倍率で使うのでなければ、車のボンネットでも使えるのではないかと思うのですが……
 
●キャップ
対物側キャップ 閉めるとこうなります
接眼側キャップ 閉めるとこうなります

 付属のキャップで見事な流線型状に変身して収納できます。鳥類形態とも言います。ひそかに人工衛星「おおすみ」にも似ているんじゃないかと思います(無理?)。
 
コスモキッズ全景 キングペンギン
(東山動物園/Photo by ぴきょい さん)

■使ってみての感想

 付属の正立アイピースは、少し像が甘いです。でも細かいことを気にしなければ大丈夫。月くらいならいいけど、土星の輪は厳しいかなぁ。タカハシのOrを代わりに使うと、よく見えます。なんてったって反射なので色収差が内蔵は驚きです(いつもアクロマートばかりだもんなぁ)。
 ちなみに30倍だと、手持ちではさすがにしんどいです。三脚は要らないけど、台座を置く代はどこかにほしくなりますね。

 導入に関しては、ちょっとやりにくい。本体が丸っこいので、筒先がどこを向いているか、直感的には分かりにくいんです。ファインダーが欲しいところですが、そんなものはオプションでも売っていないので、自作するしかありません。さーどうしようかなぁ。

(2004.9.15記/2004.11.21追記)


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