天文と気象は、大気圏内外の違いがあるとはいえ、「空」を見上げる分野には違いありません。天体観測は天気や大気の流れに常に左右されますし、オーロラや流星は大気圏内の現象です。また天気予報における気象衛星の活躍はすっかり日常生活に溶け込んだものとなっています。そんなわけで、ここでは気象に関わる切手を集めてみました。
1875年6月1日に、東京赤坂の溜池葵町にある内務省地理寮構内で、気象業務が開始されました。これが後に東京気象台となり、さらに中央気象台となります。75周年だと、1950年のように思うのですが、数え年で計算したのでしょうか? 気象庁発足の元となった内務省地理寮は、国土地理院の前身でもあります。気象庁の管轄は、運輸通信省→文部省→運輸省→国土交通省。国土地理院は参謀本部→内務省→建設省→国土交通省と、長い変遷を経て現在再び同じ省庁の傘に収まっています。 (1949.6.1発行) |
日本一の名山である富士山の、そのまた最高峰の剣が峰に建設された富士山頂気象レーダー。困難を極めた建設の様子は新田次郎の小説「富士山頂」にも描かれています。「台風の砦」として長年活躍し、このレーダーのとらえた雨雲の写真がよく天気予報のTV画面に出ていたものです。観測技術の進歩や施設の老朽化もあって、1999年に観測終了、2001年に解体されました。レーダードームは山麓の富士吉田市に移設され、公開されています。 (1965.3.10発行) |
日本初の天気予報が発表されたのは1884年6月1日。「全国一般風の向きは定まりなし、天気は変り易し、但し雨天勝ち」がそのときの予報。現在は格段に予報技術は進歩したものの、やはり自然相手のことですから、なかなか難しい部分もあります。切手の図案は、天気予報初日の天気図と、気象衛星「ひまわり」。切手の発行時は2号で、この年の8月に3号が打ち上げられました。本体が円筒形のこのシリーズの最終機は「ひまわり5号」で、2003年5月に運用を終了しました。2005年からは運輸多目的衛星の「ひまわり6号」が新たな任に就いています。 (1984.6.1発行) |
(2005.7.3追記)