ここでは星が唄い込まれたうたの切手と、うたの切手で星がデザインに取り込まれたものを紹介します。
二人の子どもの向こうの夕暮れ空、女の子の頭の右上に、ひときわ大きな一番星が輝いています。一番星は季節や惑星の動きによって入れ替わるものですが、この空の明るさで見えるとしたら、金星のイメージに近いような気がします。 (1979.8.24発行) |
女性のバックに夜空が描かれているのですが、ひときわ大きな赤い星と白い星が目に付きます。「平家星と源氏星」のベテルギウスとリゲルを思い浮かべますが……他の星の並びがオリオン座ではないので、違うようですね。 (1980.9.18発行) |
奥の細道の中でも名句の一つ。芭蕉が出雲崎に着いたのは1689年旧暦7月4日(新暦8月17日)ですが、曾良の日記によるとこの日は「夜中、雨強降」。芭蕉は出雲崎での夜空を見ていないようなのです。出雲崎からの佐渡は北西から北北東の方角に見えるのですが、この頃の銀河がこの方角に見えるのは夜明け前の時間帯で、佐渡の上空から左手の海に縦に流れ落ちるような姿になります。切手に描かれた佐渡に「よこたふ」銀河は、芭蕉の心の中の風景ということになります。 (1988.8.23発行) |
※「荒海や……」の句の検証は、かつて天文雑誌「SKY WATCHER」(「星ナビ」の前身)で取り上げられたことがありました。改めて「ステラナビゲーターVer.5」と「カシミール3D」「数値地図」で確認したら上記のような結果になりました。もちろん芭蕉の句が間違っているということではありません。
「ジングルベル」は代表的クリスマスソングの一つ。切手の発売日が12月だったので、時期に合わせたこともあるのでしょうか。空をかけるトナカイの向こうに流星が2つ……雄大なダストテイルをひいた彗星が2つ並んでいるようにも見えますが、さてどうでしょう。 (1997.12.8発行) |
写真では分かりにくいかもしれませんが、小さな星がたくさん、おもちゃと一緒に箱から飛び出しているデザインです。 (1998.11.24発行) |
「上を向いて歩こう」は永六輔作詞、中村八大作曲、坂本九の唄で、1960年の発売以来、今も歌い継がれる名曲です。切手の図案は「にじんだ星を数えて」のシーンでしょうか。小惑星6890番には“kyusakamoto”の名が付けられています。永“六”輔、中村“八”大、坂本“九”、の3人の名前の入った番号の小惑星が選ばれました。 (1999.3.16発行) |
「ゴンドラの歌」は1920年に大流行した大正時代を代表するメロディーなのだとか。切手のデザインは竹久夢二の筆による楽譜の表紙絵。背景の空に、星が2つ輝いています。 (1999.12.22発行) |
「上を向いて歩こう」は上記の「私の愛唱歌シリーズ」で切手になったあと、同年から発行の始まった「20世紀デザイン切手シリーズ」にも再登場しています。第12集で、1959〜1964年のトピックとして取り上げられました。こちらは国立天文台提供の写真で、流れ星付きです。 (2000.7.21発行) |
こちらは1977年のピンクレディーの大ヒット曲。当時、従姉妹が踊りまくっていたのをおぼろげに覚えています。UFOの背後に星空が描かれています。ローマ字で「UFO」と書かれている未確認飛行物体なんて出来過ぎやろと思ったら、モデルは当時のおもちゃなのだそうです。 (2000.10.13発行) |