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2005年度・秋の天文講演会+天体観望会
2005年10月29日(講演会+観望会)・30日(観望会)

 秋の天文講演会と題して、赤祖父俊一さんの「オーロラの世界」のお話がありました。赤祖父さんはオーロラ研究の第一人者で、アラスカ大学国際北極圏センター所長をつとめていらっしゃいます。

 自然科学に国境はないといえ、日本出身の方が海外の大学の研究センターで要職に就かれているんです。今回は日本国内で5ヶ所ほど、連続で講演会があり、そのうちの一つが天文科学館でセッティングされたというわけです。

満員です

 ドーム内、満員でした。

 オーロラのスライドもきれいでしたが、やっぱりお話の内容も興味深かったですね。19世紀から20世紀にかけての探検家たちの残したオーロラのスケッチが、今から見ても驚くほど正確なこと。日本人ではじめてオーロラを見た人は誰か。世界最古のオーロラの記録は? これは紀元前250年頃のメソポタミアのくさび形文字の粘土版にあるらしいです。低緯度オーロラだったんでしょうね。

オーロラはネオンサイン

 実はオーロラって、よく聞く割にはなんで光ってるのか、ちゃんと考えたことがありませんでした。

 一言でいってしまうと、ネオンサインなんだそうです。

 ネオンサインの管の中のガスが、地球上空の希薄な大気。ネオンサインに放電する電気は、地球の磁石と、コイル代わりの太陽風が発電機の役割をして、生み出されているとのこと。へぇ、へぇ、へぇ。

 カーテンが揺れ動くのは、テレビのブラウン管と似たような仕組みなんですって。へぇ、へぇ、へぇ。

 上空100kmから1,000kmくらいでの現象なので、スペースシャトルがここに突っ込んでいくこともあるそうです。毛利さんは見たそうです。これはすごそう。見たい。100億円稼がねば(たぶん無理)。

 いや、「オーロラ見たい症候群」発症してしまいそうです。皆既日食も見たいですが、オーロラも見たい(要努力)。

質疑応答

 質疑応答も面白かったですね。

 「オーロラを見に行ったとき、音が聞こえた気がするんです」という、参加者からの質問に、「上空100km以上の現象なので、音は伝播しないし、これまでテープレコーダに記録されたことはない」と赤祖父さん。でも「音の報告はとっても多いので、例えば誘導電流みたいなもので、地上で何かの音が出ているのかもしれないという可能性もある」というようなことを答えていらっしゃいました。ただ「それでも今までテープレコーダーに引っかかったことがないんです」とのこと。分からないことはたくさんあるみたいです。

 そうそう、他の太陽系の惑星に緑色のオーロラが発見されたら、そこには酸素の大気があるということだから、もしかしたら地球外生命が存在できる可能性のある惑星を見つけることが出来るかも、なーんてお話もありました。

29日の観望会、まず●黒星

 10月30日が2年2ヶ月ぶりの火星接近ということもあり、観望会もセッティングされました。なんとマーズローバーのペーパークラフトも登場。

 しかーし、講演会のあった10月29日は、朝は雨で、午後も曇り空。夕方に一瞬、青空が覗いたのですが、再び雲が広がり、火星を見ることは出来ませんでした。

30日の観望会、寄り切られて●

 10月30日も、観望会がセッティングされました。いよいよ最接近の日ということもあり、開場時刻に合わせて館に向かうと、なんと100名以上の方が行列をつくっています。

 な、なんだこの盛り上がりは!? 話に聞くと、前日曇られた人たちが、こぞってリターンマッチに参加したそうです。

 恐るべし、赤い惑星の魔力。

 でも、でもなのです。この日は昼間から快晴だったのですが、夕方に雲が出始めて、なんとプラネタリウムで解説をしている間に季節外れの夕立が……

 4階日時計広場にセッティングした望遠鏡、慌てて撤収する始末です。

 20:20まで天候回復を待ったのですが、雨は上がったものの厚い雲が広がり、散会となったのでした。

 ただ、私が館を後にした20:40くらいになって急に雲が切れ始め、いきなり東の空に火星が出てきたんです。うーん、残念。最後の最後まで館に残っていた人は、もしかしたら火星を拝むこと、出来たのかもしれません。こればかりは天候ですから、仕方ないですね。

天文科学館工房

 スペースシャトルには外部燃料タンクと固体ロケットブースターが付き、奥には巨大な火星の立体模型(?)まで出現しています。これを全部、手作りしているのですから、天文科学館のスタッフの方、器用なものです。

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