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2010年度野外天体観測会(夏季)
2010年8月7日・8日

 2010年8月7日・8日は野外天体観測会でした。今回の遠征先は神鍋高原のオーベルジュ アルビレオ天文台。星の友の会でもたびたびお世話になっています。

いざ出発

 10時に集合して、まずは天文科学館での環境学習。展示リニューアル工事の休館中に、4階日時計広場の北側に太陽電池パネルが設置されています。3階展示室の太陽系儀のコーナーに紹介映像がありますので、ご来館の際にどうぞ。

 少し早めのお昼ご飯を食べ、12時に天文科学館を出発。

 友の会の会長でもある館長さんから、伝統的晴天祈願グッズ「てるてる坊主」をプレゼントされました。命名「はやぶさ」……ベタという以前に、その波瀾万丈そうな名前が呼び込むのは幸運か激動の旅路か!?

 盛大なお見送りを受けながら、いざ出発。

到着

 途中、和田山での休憩を挟んで、15時過ぎに到着。播但自動車道が全通してから、但馬も近くなりました。宿のアルビレオはこんな建物(8日朝に撮影)。てっぺんの銀色ドームがまぶしい! 中には60cm反射望遠鏡が収められています。ちなみに天文科学館の天体観測室の望遠鏡は口径40cm反射。きれいな空に大きな望遠鏡。楽しみです。


 夜まで時間があるので、みんなでワークショップ。前半は今晩見ようと思っている天体の星図の作成。後半は天体望遠鏡組立講座。

夕食

 カメラを持っていったにも関わらず、食べるのに夢中で一枚も写真を撮っていなかったりします。焼きたてのパンが美味しいので、油断するとバクバク食べてしまって、メインの皿が出てくることにはお腹一杯になってしまったりするのですが、さすがに何度も来ているとそういう初歩的な失敗は犯しません。今回はデザートのクレープがすごく美味しかったです。

星空

 実は今回、8月7日の天気は晴|曇、8日の天気は曇という予報。日本海に弱い気圧の谷がある予報天気図で、天気が少々危ぶまれていました。明石を出て、道中もずっと曇りっぱなし。それでも北に近づくに従って晴れ間が増えてきましたが、はてさて夜の天気やいかに。

 夕食を終え、なにはともあれ、外の様子をうかがいます。

 雲はすっかり少なくなって、日没間もない薄明の西空。しばらく視線が空をさまよって、光点を見つけます。金星だ!

 先ほど組み立てた天体望遠鏡を、さっそく金星へ向けます。半月状の姿が、青みの残る空をバックに浮かび上がります。

 続けて土星。リングをまとった姿は太陽系で一、二を競う人気者。

 皆が一通り、金星と土星を眺めた頃に、アルビレオの天文台からお呼びがかかります。階段を昇って、5階のドームへ。

 まずは土星、次に宿の名前の由来となっているアルビレオ。ヘルクレス座の球状星団M13は粉砂糖をぶちまけたみたいなツブツブ加減。こぎつね座の惑星状星雲M27。あれい状星雲の名の通り、いびつな姿が楽々と確認できます。たて座の散開星団M11は密集度が高く、高倍率で見ても見応えがあります。

 そしてドームのスリットから垣間見る細長い空から、いつしか雲が消え、うっすらと光の帯が浮かび上がります。天の川!!

 外に広がる満天の星空を思うと、我慢が出来なくなり、一足先にドームから下ろしてもらいました。

 うわぁ〜!

 外に出ると、山の稜線から立ち上がる天の川(上の写真2枚はクリックで拡大)。

 最初の頃は、館から持っていったドブソニアンを振り回していましたが、すぐに飽きて、シートにゴロンと寝転がります。透明度がすばらしく、これはもう、星空そのものを楽しむ方が私の好み。

 そのうち、ドームから降りてきた人たちも混じって、シートでゴロゴロ組、望遠鏡で天体観望組、写真撮影組と、三々五々、それぞれのやりたいことを楽しみます。

 いやもう、時間が経つのが早いこと早いこと。

 星座をたどるのも簡単。やぎ座・みずがめ座・うお座といった街中ではたどりにくい秋の黄道星座もしっかり分かります。とぐろを巻いたりゅう座も見えています。嫁さんばかりが有名なケフェウス王も、しっかり鉛筆の先っぽのような五角形をたどれます。天の川に半分埋もれたとかげの姿も浮かんできます。ペガススの鼻先には、首差で先行するこうま座の姿。

 夜半前から散在流星がけっこうな頻度で飛んでいます。日付が変わる前に、軽く10を超える数は見ていたはず。夜半を過ぎるとペルセウス座流星群がこれに加わってきます。スピードが速く、明るいものはシュッと痕を残す確率の高いペルセ群の流星は容易にそれと判別できます。

 地上には季節外れの蛍も舞っていて、光る物には事欠きません。

 館から持っていったドブソニアンでは、福原さんのO-IIIフィルターが大活躍。写真のようなM8干潟星雲や網状星雲、初めて見てしまった北アメリカ星雲。

 通好みなところでは、春田さんがテンペル第二周期彗星(10P)を導入していました。彗星を初めてご覧になった方も多かったのではないでしょうか。

 夜半に出てきた二重星団は、こちらはノーフィルターでしたが、星団好きにはこの日一番の絶品だったでしょう。

撤収

 2時を過ぎたあたりから断続的に雲が増え始め、3時を回ったあたりでついに全天が雲に覆われました。気が抜けると、どっと眠気が襲ってきます。残っていたメンバー全員、ここで撤収と相成りました。放っておくと朝まで突っ走りかねない勢いだっただけに、よい休息となりました。

神鍋火山群

 アルビレオのある神鍋高原は、実は火山の噴火で形成されました。スコリア丘として地学の本に紹介されている神鍋山、そんなに遠い場所ではないので機会があったら登ってみたいと思っているのですが、たいてい夜更かしして朝はギリギリまで寝ているので、未だに果たしていません。帰りに寄った道の駅で神鍋溶岩流を紹介するリーフレットを見つけて、帰りのバスでは地図に掲載されている火山を探していました。

 左がブリ火山、右が清滝火山。言われなければとても火山とは気付きません。神鍋山は頂上に火口が残っているそうなので、いずれ登ってみたいものです。

にしわき経緯度地球科学館

 2日目は西脇市のにしわき経緯度地球科学館を訪問。ここも何度となく足を運んでいます。明石が天文測量の東経135度線上なら、西脇は測地経緯度の東経135度・北緯35度の交点です。

 メディアグローブのプラネタリウムは「宇宙人に会いたい」が上映されていました。森本おじさんのインタビューを軸に構成されたいい番組でした。おじさん宇宙人と踊ってますし。

 82cm反射望遠鏡は巨大の一言。13時の天体観望会ではアルクトゥールスを狙いましたが、参加者の半分強が観望を終えたところで雲に阻まれてしまいました。14時の回は天候に恵まれたそうです。

 左は世界測地系の経緯度交点。年々、周りの木々が成長している気がします。いつもなら登りに行くところですが、あまりの暑さに今回は断念。一緒に参加していた友の会の若者にGPS端末を託して登ってもらいました。

 右は公園内にあったトランポリン状の遊具「ふわふわドーム」。子どもに混じって大の大人がぴょんぴょん跳ね飛んでおりました。ていうか、私も跳ね飛んじゃいました。ここで残存体力を吸い取られて、バスに乗った後、気付いたらもう明石市内でした。

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