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ワイドビノ 28 (2.3×40オペラグラス)


■購入のきっかけ

 実用というより、単純に超広視野が面白そうと言うことで購入した双眼鏡……というよりオペラグラス。

■スペック

オペラグラス:WideBino 28 オペラグラス
 (倍率2.3倍 口径40mm 実視界28° 最短合焦点距離2.8m 高さ×幅×厚み 48×116×42mm 質量260g(0.26kg))

■最初の印象

 普通の双眼鏡を見慣れていると、不思議な形をしています。小型の単眼鏡を2つくっつけただけというか……。覗いているとグリスの匂いが漂ってくるあたり、無骨さが残っています。デザインは悪くないと思いますけどね。

■機動性

 小さくて軽いのですが、全金属製なので、実はタンクローよりも重たかったりします。落とすと恐いのであり合わせのヒモでストラップをつけましたが、上の写真に写っているように細いものなので、やがて首が痛くなります。そのうちまともなものに取り替える予定です。

■操作性

 ピント合わせはIF式。天体以外では使いませんし、個人で使う分にはさして不便はありません。
 アイレリーフはカタログスペックには記載されていませんが、極端に短いです。接眼部に眼を密着させないと、広視界は味わえません。メガネをかけたまま使うのは事実上不可能です。
 また瞳位置にとてもシビアで、眼幅を相当きっちり合わせないと、すぐに左右どちらかの星像が扇形に広がった姿に崩れてしまいます。
 慣れれば問題はありませんが、一般の双眼鏡よりは気を使う部分が多いです。多人数で使い回すにはあまり向いていないかもしれません。

■光学系

 3群4枚のガリレオ式とのこと。倍率が2.3倍で、計算上は16.7mmの口径があればよいのですが、実際は40mmの対物レンズを使っています。これは視野の狭いガリレオ式で広視界を確保するためなのだとか。
 見かけ視界はカタログでは公開されていませんが、計算上は64.4度(実際はもう少し狭い印象を受けます)。狭くはないのですが、超広角という印象ではありません。
 実視界は北斗七星(25度)がすっぽり入るので、きちんと28度あるようです。実はステラナビゲーターVer.5で視野円を表示して実際の星空と見比べようと思ったのですが、ステラナビゲーターでは20度までの視野円しか表示できないのでした。
 夜使っている分には気になりませんが、昼間の景色を見ていると、視界がうっすら黄色に着色していることが分かります。

●街中で
 普段は4等星までしか見えない自宅付近の空ですが、ワイドビノを使うと6等星まで見えてくれます。ちょうどプラネタリウムを見ているような感覚で星座散歩を楽しめます。
 28度の実視界は北斗七星全体やオリオン座の主要部が収まる程度で、星座を渡り歩くのにちょうど良いくらい。星を見始めた頃、星座のガイドブックを片手に空を見上げていたような気分になります。
●山奥で
 星雲や星団の見え方は、ある人曰く「135mmのレンズみたいな感じ」。倍率が低いので詳細が見えるわけではないのですが、存在や形はちゃんと分かるという、そんな見え方です。天の川を流したりすると、楽しいです。

■これまでの感想と今後の展開

 一言、遊べる道具、といったところでしょうか。双眼鏡というよりは、肉眼の延長線上に近い感覚の道具です。
 使い勝手が悪いわけではないのですが、必ずしも良くはないのが玉にキズで、もう少しお手軽に使えたら、もっと楽しいのにと思います。バックヤードプロダクツから専用のゴーグルが発売されていて、面白そうなのですが、街中で使うにはちょっとアヤしそうですね。でも手持ちよりは、より一層、肉眼をパワーアップした感覚が味わえそうです。誰か近くで試した人いないかな。

(2002.9.21記)


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