塩屋天体観測所プラネタリウム・天文台訪問記
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宗像ユリックスプラネタリウムを見てきました
(福岡県宗像市)

 九州に足を運んだついでに、どこかプラネタリウムを見ていこう。

 と思い立ったのが、宗像ユリックスプラネタリウムでした。宗像市は小倉と博多のほぼ中間点。フェリーで門司港に上陸し、福岡まで向かう私の旅程の途中です。ちょうどいいや。

 途中に屹立するスペースシャトルを見ながら、電車は西へ向かいます。窓から見ていて気付いたのですが、このシャトル、ちゃんとディスカバリー号という設定になっています。


宗像ユリックス

 行くまで知らなかったのですが、宗像ユリックスは宗像市の総合文化施設なのでした。てっきりショッピングセンターか何かだと思っていたので、着いてみて緑に囲まれた伸びやかな景色にびっくり。それくらいの下調べしろよ、という感じですが、プラネタリウムの上映時刻とバスの時刻表しか確認していなかったのです。

 バスの都合もあって、投影開始の1時間も前に着いてます。どうしようかと思ったのですが、幸い、市立図書館があったので、しっかり読書して時間を待ちました。

 ついでながら、投影終了後は3時間ものバス空白時間帯。バスの時刻表を見て絶句しました。タクシーか、駅まで歩いて30分かという、壮絶(?)な状況です。もちろん歩きましたとも。

※写真は途中のバス停で撮ったもの。路線は同じなので、夕方の本数はこんなものです(昼間はもう少し走ってます)。

宗像ユリックスプラネタリウム

 建物の2階にプラネタリウムがあります。投影時間が近づいてきたので、登ることにしました。

階段の脇に案内板

さっぱりした雰囲気のエントランス

 大型のドームを持つプラネタリウム館だと、ドームに合わせて壁が湾曲していたりするものですが、宗像ユリックスではそんなこともなく、壁の天文系ポスターがプラネタリウムらしい雰囲気をかもし出しています。

星座早見盤展示
宗像オリジナル版も製作して販売中

こういう案内はうれしいですね

 入場開始まで展示を見て時間をつぶします。星座早見盤はお約束ですが、ここでは宗像オリジナルの星座早見盤も販売しています。芸の細かいことに、明石の日本標準時との時差を考慮した目盛りを振ってあるそうです。星座早見盤コレクターの私としてはぜひ、購入すべき一品だったのですが……忘れました(涙)。

中国の渾天儀

古代朝鮮の天文台「チョムソンデ」

 発泡スチロール製の模型がいい味だしてます。中国や朝鮮半島の天文資料を並べるあたりが、アジアに近い九州という感じ。

特別投影「銀河鉄道の夜」

 九州初上陸というキャッチフレーズで投影されている特別番組「銀河鉄道の夜」。

 2006年にサンシャインで公開されて大好評だった番組ですが、ナレーションが桑島法子さんに変わったバージョンのものが、その後、全国各地で投影されています。

 もとが全天周映像なので、どうやって上映するのかと思っていたら、ほとんどの映像を解説台後方のプロジェクター1台で超広角に映していました。びっくり。

 ただ、ドーム径が小さいので、投影機の影が目に入りにくい場所を選ぶのに苦労するのは仕方のないところ。私は投影機の北東側、やや中央よりの席を選びました。

 宗像ユリックスでは、星空が写るシーンは、きちんとプラネタリウム投影機の星空を映しています(たぶんこだわった方がいるのでしょう)。プロジェクターの星座絵が投影機の星空にピッタリ重なるのは、オート制御とはいえ、すごいなぁと思います。

 あちこちで上映中なので中身を書くのは控えますが、原作を読んだ方には見応え十分の番組です。お近くの方(でこのサイトを見る人が居るかどうか知りませんが)はぜひ。

一般番組「和名でたどる春の星空」

 続けてみた一般投影。テーマは「和名でたどる春の星空」。

 平日の16時台のプラネタリウムということで、お客さんの入りはかなり控えめ。というか、開演直前まで「お一人様投影」になろうかという勢いで、ちょっとどうしようかと思いました。明石でも平日に一桁の経験はありますが、お一人様投影だけは……兵庫県内のある館で一回やったきりです(あるのかよ)。

 それはさておき、めでたく他のお客さんもやってきて投影開始。

 日が暮れて普通に星座の解説をして、後半でテーマの話題になるのかと思いきや……日が暮れたらいきなり、和名で星の解説が始まります。油断した! そう来るか!

 「四三の星」「帆かけ星」「麦星」「真珠星」あたりまでは予備知識の範囲内でしたが、「糸かけ星」は知りませんでした(ちなみにしし座のあたりの星の並びで、ししの大がまが糸車)。

 うーん、奥が深い。面白かったです。

櫛田神社

 一般番組の中で紹介されていたのが、櫛田神社の干支方位盤です。

 これがドームに映し出された瞬間、「これは子午線の説明に使える」と思い、投影終了後にどこにあるものなのか、スタッフの方におたずねしたのでした。投影後に取材を控えていたにもかかわらず、親切に教えてくださいました(ありがとうございました)。

 で、博多に着いたらさっそく、足を運びました。「『お櫛田さん』と言えば地元の人なら知らない人はいない」と聞いていたのですが、博多どんたくの出発点で、博多祇園山鉾と博多おくんちはこの櫛田神社の祭事なのだそうです。そりゃ、地元の人が知らないわけがない。

 楼門の天井からぶら下がっているものなので、東西南北は星座早見盤のものと一緒です。十二支が動物の彫刻で表現されているのがチャームポイント。真ん中の矢印が、その年の十二支を指し示しています。


そのほか

ほしぞらスタッフの掲示板

九州一円のプラネタリウム&公開天文台

 宗像ユリックスプラネタリウムでは、「ほしぞらスタッフ」というボランティアスタッフが、観望会などのイベントや、投影(!)の企画もしているそうです。なんか楽しそう。そういえば、ここはNPO法人が運営をしているプラネタリウムでした。投影機や設備に目新しいものはないのですけれども、入口に毛布のサービスがあったり、細かいところが行き届いていて、気持ちのよい館です。

(2007.5.18訪問/2007.6.4記 福田和昭)

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