塩屋天体観測所|東経135度子午線を訪ねて|子午線道中膝栗毛
前のページへ戻る
(2007年11月3日訪問/2007年11月4日記)
2002年の測量法改正で世界測地系が採用され、和歌山県和歌山市の友ヶ島が、子午線通過日本最南端の地になりました。
といっても特に騒がれたりすることもなかったのですが、突如、動きを見せたのが2007年。
友ヶ島灯台が建設されて135周年のこの年、東経135度子午線とあわせて、様々なイベントが行われたのです。どれくらいすごかったかというと、地域限定ながらも記念切手が発行(←リンク先はPDF)されるくらい。
そして2007年11月、毎年2回行われている友ヶ島灯台の一般公開が、「友ヶ島灯台135°」と題して、大々的に開催されました。
神戸から友ヶ島までは直線距離で40km。良く晴れた日なら海岸沿いからその姿が見える距離です。が、行くとなると大変で、大阪湾を大回りして最短で片道3時間半、往復7時間というところ。時間だけなら東京へ行く方がずっと「近い」場所です。
2007年11月3日、4:30に起床して、早めの朝ご飯を済ませ、5:18の塩屋駅始発上り普通電車に乗ります。家から駅に向かう途中、西空には増光中のホームズ彗星が肉眼でも見えています。
以下、06:09 大阪 06:13〈大阪環状線〉06:37 新今宮 06:42〈南海線急行〉07:15 泉佐野 07:18〈南海線普通〉07:51 紀ノ川 08:00〈南海加太線〉08:22 加太、と順調に進みます。が、友ヶ島航路の拠点、加太港に着いてびっくり。あふれるばかりの、人・人・人……
けっこう大がかりなPRが行われたおかげで(前日にはNHKラジオに関係者が出演されていました)、加太港の駐車場はほとんど満杯。
私が加太港に着いたのは08:40頃ですが、友ヶ島行き始発の09:00便は08:30にすでに満席となり、10:00の臨時便の整理券が配られていました。
この日は特別料金ということで、普段は大人往復2,000円(2007年現在)の運賃が、往復1,400円という大サービス。ちなみに友ヶ島は無人島なので、「片道」の設定はありません。
1便当たり100人なので、けっこうギリギリでした | こちらが汽船の乗船券。「往復」しかありません。 |
この臨時便(2便)の整理券も、私が着いてほどない08:50には配布終了。その次は11:00の便になります。ここ数年なかった大にぎわいです。
一時間ほど間ができてしまいましたが、それくらいのことはあり得るだろうと思っていました。
09:15から加太港の向丁自治会館で、海上保安庁の方による「灯台のはなし」があるというので、それを聞きに行きます。
とっても手作りな看板が素敵です。そして会場の自治会館も、1階は倉庫状態で、ほんまにこの建物でええんかいな、というところ。でも2階はきれいな会議室なのです。
で、お話しされた海保の方が面白い人で、早々に満席になったので予定を繰り上げて話し始めたのに、ノッてしまって予定の15分の倍、30分も喋ってしまいます。ネタ満載のスライドを用意されていたので、どのみち15分や20分で済む内容ではなかったはずです。
興味深かったのは、日本の近代灯台の成り立ち。手短に書くと、
幕末の長州藩の大暴走の行き着く果ての一つが友ヶ島灯台というのが歴史の面白さ。
「ともがしま」号に乗り組む人の列 | デッキにも人があふれかえる盛況ぶり |
いよいよ友ヶ島へ向けて出発です。総トン数19トンの「ともがしま」は、デッキにも人があふれかえる超満員。
加太港を後にします | 虎島沖を通過 |
友ヶ島の野奈浦桟橋への所要時間は片道20分。絶好の好天で、景色を見ている間に時間が過ぎてゆきます。遠く淡路島の先端には、明石海峡大橋の主塔も見ることができます。
ついに友ヶ島上陸 | おみやげに配られた「よもぎ餅」 |
10:20、定刻通りに野奈浦桟橋到着。私たちを運んだ「ともがしま」は、そのまま折り返して加太港へ去ってゆきます。これで無人島に取り残されたわけですが……これだけ人がいるのですから別にさびしくも何ともありません。
桟橋のたもとでは「よもぎ餅」が配られています。期間中、先着135名へのプレゼント。加太の名物なのだそうです。中にくるまれているあっさり系のあんと相まって、なかなかの美味でした。
新調された島内案内板 | かつての案内板(2005年2月撮影) |
さて、島に上陸してみると、大きな島内案内の看板が、いつの間にか新しくなっています。
旧看板にはあった子午線の説明が、今回の看板にはありません。うーん、ちょっと残念。でも今回の看板は英文の解説付きで、国際化にも対応しています。
(2007年11月3日訪問/2007年11月4日記)