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観測所雑記帳 Jun. 2003


なんといふ空 2003年6月1日

 映画「ココニイルコト」の原案となった、最相葉月さんのエッセイ集。
 最相葉月さんを「さいしょうはづき」と読むのを知らなくて、当時本屋でさんざん探して、結局見つからなくてあきらめたことがあった。

 予定が空いてしまった日曜日、思い立って区の図書館に出かけてみた。便利な世の中で、インターネットで蔵書検索が出来、漢字の読み方が分からなくても字面で入力すれば、検索結果が出てきてしまうのだ。

 意気揚々と、垂水の図書館へたどり着く。そしたらブラインドが降りたままの玄関に「休館日」の張り紙。
 「聞いてないよ〜」と思ったら、なんでも蔵書整理のため、今週末は臨時休館なのだそうな。

 仕方がないので、きびすを返して、須磨の図書館へ向かう。自転車で往復15kmほどのサイクリングになってしまった。
 ずいぶん探したはずの「なんといふ空」はあっさりと見つかり、「わが心の町 大阪君のこと」は巻頭に掲載されていた。ページ数にして、3ページ。通天閣と阪急ブレーブスと明石天文台をこよなく愛していたという大阪君。きっと映画の通りの人で、そして今は明石にいるのだと知った。

 2000年10月23日、阪急ブレーブスの命日に明石市立天文科学館のプラネタリウムを見ていた「ココニイルコト」の志乃と悦郎。実はその前日、自分はあのプラネタリウムのドームにいた。ちょっとだけ不思議なすれ違い。

さよなら駐車場 2003年6月1日

 天文から遠ざかっている時期に今のアパートに移り住み、偶然立ち寄った明石の天文科学館がきっかけで、星見の趣味を再開することになった。

 住宅地の中で観測地にはさんざん苦労し、最初のうちは街灯が6本もある駐輪場で星を眺めたものだ。双眼鏡を担いで歩いて10分の海辺に出かけたり、……や……まで出かけたものだが、結局落ち着いたのが、家から2〜3分ほどの駐車場だった。ここも街灯がないわけではないのだが、車の陰になったり、絶妙に電柱の陰になったりで、比較的、観測の支障にはなりにくかった。何より南の空は、カノープスも見える見通しの良さ。

 ここに建築予定があると知ったのは、今年の春先のこと。
 本当はずいぶん前から看板が立っていたらしいのだが、なにせ夜しか寄ったことがないので、ぜんぜん気付かなかった。契約を次々と終えていくのか、駐車している車も次々と減っていき、それからここで星見をするのをやめていた。

 久しぶりの晴れた空。6.5cm屈折を担いで、お別れ観望をやった。
 改めて空を仰ぐと、東から北にかけては神戸の街の光害が立ち上り、北極星など見えるかどうかギリギリのありさま。西の空も垂水・明石の光害で、唯一、南の空だけがわずかに暗いだけ。よくもこんな条件で星を見てきたものだと思った。

 最後に見たのは、大好きな二重星・アルビレオ。
 春から夏へ、移りゆく星空を感じながら、お世話になった駐車場を後にした。ありがとさん。

細い月 2003年6月2日

 仕事帰りの自転車で、久しぶりに細い月を見た。
 月齢2.3だから、ほんとの三日月だ。

 3日前に、北欧で金環日食を起こした月。何ごともなかったように、西の空へ消えていった。

定例観望会 2003年6月7日

 今年から「星の友の会」の会員は、定例観望会の入館料が無料。
 しかも以前は曇天中止だった定例観望会、現在は曇っても天文教室を開催するということで、怪しい天気だったのだが、出かけてきた。

 天気は怪しいどころか、突然の雷雨。淡路島方面にビッシャンと雷光が落ちていくのが見える有様で、それはそれで迫力があったのだが、肝心のお月様の方は、はるか雲の向こう。結局、プラネタリウムドームの中で月を話題に天文教室となった。月面図を配って、クレーター探しクイズ大会、という感じで、これがまた、子どもたちがクレーターを見つけるのが早いこと、早いこと。私、完敗でした。

時の記念日 2003年6月8日

 は6月10日。ということで、7日から明石市立天文科学館では、スペシャルイベントを開催中。

 館内では、子午線を通る各市町の物産展。今回来ていた西脇の「へそせんべい」は、明石の「子午せん」と双璧をなす子午線銘菓。昨日密かに目を付けていたのだが、買ってしまった。以前、天文科学館の瓦せんべいというのがあったのだが、こいつは何も記録に残さないまま、うっかり食べてしまった。今度は胃袋に納める前に写真でも撮っておかなければ。

 ついでに網野町の鳴き砂も、ついつい惹かれて買ってしまった。部屋の荷物を増やしてはいけない時期なのに、困ったものだ。

 今日は子午線ウォークラリーの企画で、古野電気のGPS端末を持って、旧日本測地系の東経135度子午線と、世界測地系の東経135度子午線を訪ね歩いてきた。

 天気は絶好……というか、暑いくらい。
 両脇を木々に囲まれた遊歩道を通過している旧日本測地系の子午線では、現在毛虫が大発生中。一匹おまけでリュックにつけて帰ってきた。

 プラネタリウムも子午線の番組を投影中。「東経135度子午線を訪ねて」の管理人お勧めですので機会のある方は、ぜひ!

HROアンテナ作業 2003年6月17日

 久しぶりに屋根に昇った。
 基本的に煙と一緒で高いところは嫌いでないのだが、うちの屋根だけははっきり言って怖い。まず梯子を安定してかける場所がないので、昇るのが怖い。トタン葺きの屋根が、けっこう滑りやすい。しかも傾斜が急。
 それでも台風6号の影響で、しばらく雨が予想されるので、晴れとはいえないまでも、そこそこ天気の安定した今日のうちに作業を済ませることにした。

 作業というのはアンテナの撤去。
 昨年11月のしし座流星群からずっとがんばっていたHRO(流星電波観測)のアンテナだが、ひとまず中休み。7月上旬の観測再開まで、いったん下ろして分解整備……まで出来ればいいのだけど、分解はともかく、整備までは無理かなぁ。せめて掃除くらいのメンテナンスはするようにしよう。

 今回の作業は一時間ほどで終了。
 しかし、しし群の時は夜間に作業したんだよな。よくやったもんだ。

月と火星 2003年6月20日

 部屋の片付けをしながら、ふいに窓を開けたら、下弦の月と火星が並んで見えた。
 どこかで見たことあるような空だなぁ、と思っていたら、来月の明石の星の友の会の野外天体観測会の、ちょうど一ヶ月前の空だった。そういやステラナビゲーターで予習したんだった。

 風呂に入りながら、窓を開けて半月を眺めた。オレンジ色の、ちょっと不思議な色の月だった。

100万人のキャンドルナイト 2003年6月22日

 夏至の日に電気を消してみましょうというイベント
 「塩屋天体観測所」も参加した。現在地での観測所、最後の催し物。

引っ越し 2003年6月23日

 ということで、実はこの「観測所」移転した。
 といっても、神戸市垂水区塩屋町の住所は変わらず。以前の場所から1kmほど東に移っただけ。
 それにしても、引っ越しなんて5年ぶりなので、勘が鈍ってものすごく大変だった。
 引っ越し業者が「天体望遠鏡」におそれをなして、こっちがおそれいるほど緩衝剤を巻いてくれたのはご愛敬だった。

火星!! 2003年6月29日

 肉眼では何度も見ていたけれど、望遠鏡では今シーズン初観測!
夜中になって雲が切れてきたので、2階の窓から自作6.5cm屈折を空に向けた。
実は調整が完全でない鏡筒なのだが、白い極冠とアキダリアの海の暗部が簡単に見えてびっくり。2年前の準大接近の時は、BORGの10cmアクロマートは役に立たず、13cm反射でもなかなか苦労したのに……ちょっとびっくり。

 火星の模様を見るのは難しいという先入観があったのだが、こんな6cm台の小口径であっさり見えてしまうとは。中学生の頃使っていたミザールの6cm経緯台では、まるで見えた試しがなかったので、なおさらびっくり。もっとも当時は、アイピースがとても覗きにくいMH(ミッテンゼーハイゲン)2本しか持っていなかったから、対物レンズが悪かったわけでなく、接眼レンズが悪かったのかもしれない。

 それにしても、6.5cmでこれだけ楽しめるのなら、BORGのEDL76、欲しかったなぁ。もう遅いけど。

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