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観測所雑記帳 Dec. 2003


天文科学館定例観望会 2003年12月6日

 についてはこちらをご覧ください。

神戸市立青少年科学館 その1 2003年12月7日

 プラネタリウム投影機・ミノルタMS-20が今月いっぱいで引退ということで、見納めのつもりで出かけてきた。
 明石のツアイス・イエナUPP23/3が震災に耐えたプラネタリウムとして有名だが、神戸のMS-20も震災を生き抜いた投影機である。明石の43年には及ばないが、1981年から22年間働き続けた実績は、国産機としては長寿の部類だろう。

 投影開始の1時間以上前に家を出たのだが、山陽電車に乗り遅れ、三宮に着いたのが投影開始20分前。ここから人工島のポートアイランドにある科学館に向かうのだが、これを結ぶポートライナーというのが、超鈍足と来たものだ。高架の下を走る自動車に次々に抜かれていくのを見るにつけ、だんだん腹が立ってくる。おまけに一回乗車するのに240円と、バスより高い。運転手なしの自動制御なのに、なんでこんなに高コスト体質なんだろう?

 などと考えているうちに、青少年科学館に到着。駅から一目散に走ったが、自動券売機は目指す投影の発券が締め切られてしまった。土日は子ども番組が入るので、いちど一般投影を見逃すと、2時間も待たねばならない。窓口のおばさんに聞くと、まだ間に合うとのことなので、ここで券を出してもらった。

 しめて家から70分。同じ神戸市内とはいえ、ほんと、行くのに気合いがいる。明石なら家から30分だ。考えてみればポートアイランド自体、年に数度しか足を運ばない。せめてもう少し早くか安くか、どちらかで行けると良いのだが。

神戸市立青少年科学館 その2 2003年12月7日

 すでに投影が始まっていて、足元を赤い懐中電灯で照らされながらの入場。ちょっとドキドキである。
 周りの景色と方角の解説をしていたので、ほんと、まだ始まったばかりだったようだ。

 神戸のプラネタリウムは、最初に生解説で今晩の星空の紹介があり、後半にオート番組という構成。生解説は、そらがある程度明るいまま、だいたい3等星くらいまでしか映っていない様態で、星の紹介を進めていく。たしかに神戸の街中でふだん見える星空はこんなものだ。せっかくプラネタリウムに来た以上、早く満天の星空を味わいたい気はするけれど、実際に家で星を探すのなら、こうして現実に合わせた解説をしてくれた方がありがたい。
 今まで3回見に来たけれど、いつもそんな感じなので、これが神戸のスタイルなのだろう。

 やがて番組が切り替わる。

 何週間か前、市立図書館に立ち寄ったときに、柱に貼られたポスターを見て、ちょっと期待していた。大写しのアンドロメダ銀河の下に控えめに描かれたプラネタリウム投影機。プログラムのタイトルは「星空の下で −思い出のプラネタリウム−」。

 久々に、プラネタリウムを見に来て良かったと、そんな気分にさせられた。
 最後のつとめがこの番組なら、神戸のMS-20投影機は幸せ者だ。館が閉じるわけでもなく、新しい機械が入るわけだし、まだまだ3週間働くわけだからお別れムードはないのだけど、星空とともに、投影機への想いも伝わってきた。やるじゃん、青少年科学館。

 おつかれさま、MS-20投影機。新しい投影機も、いい番組に恵まれて、みんなに好きになってもらえますように。
 ……って、その前に今の番組、もう一回みたいなぁ。

池田市五月山児童文化センター 2003年12月7日

 先週メガスターと豊中市立青年の家をはしごして、勢いがついてしまったようだ。今日は神戸を手始めに、3館回るスケジュールである。
 阪急電車で十三へ。宝塚線に乗り換えて、ほどなく着くのが大阪府池田市。ここに足を下ろすのは初めてで、意外に神戸から近いのに驚いた。

 駅を下りたら、「てるてる家族」ののぼりがいっぱい。そうだ、NHKの朝の連ドラの舞台って池田市やったっけ。今回見てないから、すっかり忘れていた。池田はインスタントラーメン発祥の地で、博物館もあるらしい。今回はそのインスタントラーメン博物館と反対側、五月山児童文化センターへ向かう。ここに池田市のプラネタリウムがある。地図で見ると、駅から北へ1kmほど。アストロアーツのホームページでは最寄りのバス停が紹介されていたが、充分歩いていける距離だ。

 途中から、少し古い昭和チックな町並みが残り、阪急の池田文庫や、池田城跡公園がある。城跡の小さな展示コーナーがあったので、ちょっと寄り道してみた。なかなか本格的な再現模型があって面白い。城跡公園自体は史実通りの復元ではないのだが、雰囲気は楽しめる。池田もなかなか面白い街だ。今度ゆっくり来てみたいもの。と同時に、関西に住んで6年も経つのに、自分の行動範囲の狭さに気付かされた。

 プラネタリウムは児童文化センターの2階にあった。2階と言っていたが、階段は3階分も登ったような気がする。斜面にある建物なのだ。
 「児童文化センター」と言うだけあって、まるっきり子ども向けの施設である。というか児童館そのものだ。正直、玄関で入るのを一瞬たじろいでしまった。「子どもは受け付けで名前を書いてください」とあったが、大人は記入不要らしい。神戸から来たなんて書いたら、びっくりされるだろう。

 プラネタリウムの部屋に入ってびっくり。部屋が四角いのだ。一瞬、は!? と思ったが、上を見上げると、四角い部屋の真ん中だけ、丸天井のドームが突き出たようになっている。ドームの直径、あとで調べたら5m。日本で一番小さな部類のプラネタリウムではないだろうか。投影機もむちゃくちゃ小振りで、人の背丈より小さいくらい。座席配置も同心円とも一方向ともつかないもので、弓なりに並んだイスが投影機をはさんで南北に向かい合っている。お客さんは10数人だが、これだけ小さなドームだと、半分以上も埋まっているように感じてしまう。

 部屋の照明が落ちて、投影が始まる。
 季節柄、多少の解説を混ぜながら、クリスマスメロディーに載せて星空を楽しむ趣向。完全マニュアル操作の完全生解説。
 途中で解説員がコンソールを離れて、何事かと思ったら、パッと壁面のクリスマスの飾りが浮かび上がった。仕掛けてあったブラックライトのスイッチを入れに行ったのだ。ここまで手作り風だと、なんだか学園祭のプラネタリウムを思い出す。なんというか、とっても親近感の湧く世界。投影機は五藤のGE II-T。フィンランドの明けることないクリスマスの夜から、南半球の南北十字がそろったクリスマスまで、緯度変化も大活躍。昨年行ったオーストラリアの星の動きを思い出して、ちょっと懐かしかった。

 池田の空へ戻るべく、投影機のモーター音が小さなドームに響き渡る。やがて部屋が明るくなり、クリスマスのイルミネーションに灯が点された。
 向かいの部屋のハンドベルコンサートに向かう親子連れたち。室内に残る、投影後のホッとした雰囲気。たぶん日本で一番、ほほえましいプラネタリウムなのではないだろうか。

吹田市千里市民センター 2003年12月7日

 池田から再び阪急電車。十三から京都線に入り、淡路から南千里へ向かう。
 名高い千里ニュータウン。ここも来るのは初めて。

 南千里の駅を下りてすぐ。千里市民センター内に、吹田市のプラネタリウムがある。ドーム直径10m。ミノルタのMS-10投影機。納入が1978年だから、ここは25年選手である。機械だけ見ると、明石のツアイスよりも古い雰囲気を感じてしまう。機能だけを積み上げた雰囲気のあるドイツの機械に対して、スマートなデザインの分、時代を感じさせるものがあるのかもしれない。

 プラネタリウム入館料、大人100円。同心円状の座席は少し堅めで、こちらもなんとなくレトロな雰囲気。番組はここもマニュアル投影の生解説。星座のスライドが独特で、一般的な館なら線描の星座絵を映し出すのだが、ここは面まで塗られた絵そのものを投影する。頭の真上に真っ白なはくちょうが出てきたときにはびっくりしてしまった。

 番組のテーマはテラフォーミング。要は他の惑星の環境を地球と同じように作り替えることなのだが、フロンの温室効果が二酸化炭素の何倍で、水蒸気の温室効果が……なんて話を聞いてるうちに、そのうち火星がオーバーヒートして金星のようになってしまうんじゃないかと思った。

 広大な団地の広がるニュータウン。南千里の駅前の小さなショッピングセンター、どこかで見たことあるような気がしたら、そう、つくばにも同じような場所がいくつもあるのだった。帰りがけの阪急電車のホームから、今出てきたばかりの千里市民センターの上に、月齢13の月が昇ってくるのが見えた。

 なんだかちょっぴり寂しげな、ニュータウンの夕暮れだった。

肉眼水星 2003年12月14日

 夕暮れ時、飛行機と見まごうばかりの明るさの金星が見えた。
 そういえば、水星が東方最大離隔になったばかりやな、と思い出して、探してみたら、金星の右下10度ほどの場所に、見えるかどうかギリギリ明るさで確認できた。

 肉眼で水星をみるのは、ほんと久しぶり。さかのぼってみたら2002年の10月17日の朝に見たっきりだった。
 水星に関してだけは、コペルニクスに完勝。

ミード11×80 2003年12月14日

 近所に居を構えた知人の引っ越しの手伝いに出かけた。なぜかミード11×80の双眼鏡を持っておられて、SLIKの三脚まで持っておられたので、そのままベランダ観望会に突入。ハレー彗星の頃に売り出された双眼鏡のはずだが、どこで手に入れたんだろうか。
 集光力の分、よく見えるので感心。安値で手に入るのなら、自分も一台欲しいくらい。って双眼鏡4台になっちゃうから、それはいいか。

神戸市立青少年科学館・ふたたび 2003年12月21日

 こりもせずプラネタリウムの番組だけを見に、神戸市立青少年科学館に出かけた。純粋に番組が気に入って出かけるのは珍しい。これはオート番組ならではかな。生解説だと、番組と言うより、お話を聞きに行くのが楽しい、って感じになるので。
 これでミノルタ製MS-20投影機ともお別れ。今度はいったいどんな機種が入るのだろう。

 いずれにせよ、中身の濃い番組が投影されていれば、自然に足が向かうので、来年春の再開時に期待。

クリスマスコンサート Part I 2003年12月21日

 天文科学館クリスマスコンサート初日、ハンドベルコンサート。
 昨年も驚いたのだけど、あの人数で息を揃えて一つ一つの曲を演奏していくのって、すごい。
 グループ名は「ベルリンガーズ沙羅」で、てっきりドイツと何か関係あるのかと思っていたら、「ベルリン」「ガーズ」じゃなくて「ベル」「リンガーズ」なのだった。あはは。
 「千と千尋の神隠し」のテーマ「いつも何度でも」がきれいだったかな。ハンドベルならではの曲もいいけれど、親しみのある曲を混ぜてもらえるとすごく楽しい。

 で、意気揚々とコンサート後の観望会の準備に屋上に上がったのだが……一面の曇天。
 夕方はほとんど快晴だったのに、いつのまにやら雲だらけ。途中から雲が切れてきたのだけど、実際の星空を眺められた方は半分もいなかったかな。でもみなさんコンサート聴きに来てるので、火星の時みたいないらだちもなく、それはそれで仕方ないって感じ。それでも土星を眺めた方は皆さん喜んで頂いた。

キャンドルナイト 2003年12月22日

 夏至の日に行われたキャンドルライトのイベントが、当時のこの日、再び行われた。
 マスコミに随分取り上げられた全回と違って、今回はちょっと地味な感じ。案内のメールが来なかったら、知らないままだったろう。
 当日も、メールが来て、それで「ああそうか」と思い出した次第。あわててロウソクを用意し、2時間ほど、明かりの中で過ごした。でもパソコン使ってたり、コタツつけてたりしたので、明かりはともかく、電気の節約の意味は少なかったかも。
 夜の少し方を見つめなおす意味では、夏至よりも、冬至の方がいいのかな。

 神戸はルミナリエの最中だし、あちこちでイルミネーションつけてるから、ライトダウンは難しいかも知れないけど、だからこそ、適切な夜間照明の意味を考え直すのもいいかと思う。

クリスマスコンサート Part II 2003年12月23日

 天文科学館クリスマスコンサートの2日目、ジャズコンサート。ハンドベルでは小さいお子さんも含めた家族連れが多かったのに対し、今日は大人のお客さん中心の落ち着いた雰囲気。
 "Santa Claus is Coming to Town"で幕を開け、やがて照明の落とされたドームには満天の星空。
 最後はみんなで「きよしこの夜」を唱って終演。よかったです。

 ちょっとかすみがかった空ながら、天気は良好で、観望会もばっちり。
 土星・火星に、網戸クロスフォルターを通したシリウスでクリスマス気分を味わってもらった。

流星電波観測忘年会 2003年12月27日

 流星電波観測関係者の忘年会、てことで顔を出してきた。忘年会、という案内なのに、13時スタートで場所がセミナー室でレジュメ持参……!? ってなんだそれは。しかもいつの間にか「報告会」になってるし(^^;
 オプションでミソカツを食べに行くのだが、これがまた、待ち合わせ場所で初対面の人ばかり。OFF会というのは学生時代以来で、久々に新鮮な感じ。もっとも、メールでやりとりを重ねているせいか、すぐにうち解けてしまうのがよいところ。
 13時からの本番は、なかなかまじめな話となったのだが、気さくな方ばかりで楽しかった。なんでも飲むのは夕方以降時間無制限とか。こういう分野で他の観測サイトの話を聴くのは、それだけで勉強になる。中座してしまったのだが、またゆっくりお話ししたいものだ。

桜が丘星の集い 2003年12月27日

 名古屋から新幹線でかっとんで、渋谷は桜が丘の「星のつどい」に参加。こちらは春以来。
 五島プラネタリウム天文資料が新装なってからは初参加で、いつの間にやら新しいスタッフも増え、なにやらパワーアップした感じ。月と金星と火星と土星を眺めて、ウーロン茶で喉を潤した。晩に知人宅に寄せてもらうことにしていたので、すっかり最後までつきあってしまった。
 そういえば、ある方とHROの話題で盛り上がってしまった。さてさてどうなることやら。
 

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