写真の板はフォーク部のベースです。 5月8日の写真に写っているパーツが、この板の両側に付いてフォーク部になります。 実は耳軸と鏡筒バンドがほぼ完成した翌日に、作業に取りかかっていたのです。板を切るのは簡単なのですが、その後に穴を開ける作業が…… M8ボルトを通して水平回転軸にするのですが、手持ちのドリルは最大で6mm径のものしかありません。 仕方がないので、6mm径の穴を開けて、細い丸棒に紙ヤスリを巻いてゴシゴシ穴を広げていたのですが、一向にはかどりません。20分くらいゴシゴシやって、ボルトを突っ込むとまるで穴の大きさが足りません。ドライバーでねじ込むと無理やりタッピングしながら入っていきますが、それでは回転軸にはなりません。とっても疲れて、作業を止めて、そのまま風呂に入って寝てしまいました。 紙ヤスリじゃやってられない、と思って、安物の丸ヤスリを買ってきました。そんな工具も持っていないのか、と言われそうですね(^_^; 効果はてきめん。気合いを入れて、CDをかけながらヤスリ掛けをはじめたら、1曲目が終わる前にきれいに穴が広がってしまいました。あの紙ヤスリの苦労は何だったんだ…… |
ここでついに金属製部品の登場です。といってもVU65塩ビ管の配管パーツです。1個105円です。 手元にネジが3本しかなかったので、仮止め状態ですが、完成すると大体こんな雰囲気になります。。 果たしてこんなので大丈夫なのかしらん。 |
こちらもやはり、木工用ボンドで接着して、念のため外側から木ネジで固定しています。 木ネジの頭はシールで隠してあります。もともと小皿に貼ってあったシールですので、あまり違和感がありません。よくみると「ほんうるし」と書いてありますが、漆塗りの経緯台って珍しいと思います。 そうそう、ベースの板の真ん中にも穴を開けました。カメラネジが通る大きさにしてあります。汎用性は考えないつもりでしたが、カメラ三脚に取り付けられる鏡筒なら、ネジを介して取り付けることができるようになりました。 |
![]() 鏡筒バンドのベースになるパーツです。耳軸を付けるための添え木をつけました。 木工用ボンドで接着して、念のため下から木ネジで固定しています。 木工用ボンドは安くて接着力もそこそこあるのですが、固まるまでに半日かかるのが難点です。夜寝る前に作業して、重石を置いて、朝になったら……まだ半乾きでした。まぁ、のんびりやります。 |
![]() 鏡筒バンドのベースになるパーツです。前日の晩のうちに切り出し、今日、穴開け加工をしました。 穴開けといっても、ハンドドリルでグリグリやるだけですので、それほどの手間ではありません。 この穴を利用して水道の配管パーツを組み付け、鏡筒のVU65塩ビ管が固定されます。 また、この板の両脇に、前々回の写真の耳軸が付きます。L字金具でも使って固定しようかと思っていたのですが、ホームセンターで20円の端材の角材を見つけたので、添え木を当てて済ませることにしました。ひたすらローコスト路線です。 |
家に帰っては、毎日ヤスリ掛けです。前々回の写真のフォーク部をひたすら整形しております。 |
![]() これが今回の自作の要点、耳軸です。正体は100円ショップで見つけた小皿。菓子置きに使うものかと思います。 手作業で真円を切り出すのは面倒ですし、それも2枚となると大きさを合わせるのが大変です。ですから耳軸だけは既製品を使おうと思っていました。 最初は三宮の東急ハンズで円形に切り抜いたベニヤを調達しようと考えたのですが、なんと直径が30cm近くあります。6.5cmの屈折には大きすぎます。一枚板の10cm程のものもあったのですが、これは少し小さめ。しかもちょっと値が張りました。 その後もホームセンターやら100円ショップやらで、皿やお椀や用途のよく分からない品物までいろんなものを探したのですが、なかなかちょうどいい品物に巡り会えずに時が過ぎました。 そして端材ベニヤを買った帰りに、100円ショップで見つけたんです。「これだ〜」とばかりに、大きさがピッタリ同じものを2枚購入、200円。運のいい日というのは、こういうものです。 直径が約15cm、縁の厚さが約1cm。一部切り欠きがありますが、それ以外はきれいな円弧状になっています。レッツゴーです。 |
![]() 設計図も書かないで材料を揃えました。下の写真に写っているベニヤ板、実はホームセンターで端材を1枚20円で売りに出していたんです。もちろん衝動買い。 材料を先に買ってしまったのだから、もう現物合わせで行くしかありません。その前に今回の架台の基本的な方針を押さえておきます。 載せる鏡筒は自作6.5cm屈折専用。私の他の鏡筒はすでに架台があるので、汎用性を考慮する必要はありません(VU65管の鏡筒であれば、入れ換えて使うことは出来ます)。また三脚は手持ちのカメラ三脚を流用します。取付部をカメラネジ仕様にしておけば、観望会のときに、現地で他人様の三脚をお借りすることもできます。架台をつくるのははじめてなので、複雑な機構は盛り込まず、シンプルな構成にします。あとで不都合な点が出てくれば、そのとき改良すればいいのです。 さて、耳軸に合わせて、フォークの形を決め、切り出します。耳軸を受ける円弧状の切り欠き部の加工に、3時間くらいかけてしまいました。引き回しノコとカッターナイフ、紙ヤスリの作業なので、進みも遅ければ、仕上がりをきれいにするのもそれなりの手間がかかります。 それでも、のんびりやっているうちに、なんとかそれっぽい形になってきました。 |
![]() 2年間の沈黙を破って、架台づくりがスタートします。つくるのはフリーストップ式経緯台。ちまたで「きりん」シリーズとも呼ばれているタイプです。 Webで「きりん」「経緯台」をキーワードに検索すると、いろいろ引っかかってきますが、例えばこれ(親きりん)やこれ(孫級)やこんな感じ(ひ孫級)のものです。 木工中心の工作で組み立てることができ、観望用としての使い勝手も良好ということで、6.5cm屈折の架台もこれをつくろうと、ずーっと考えていたのでした。 ただ、私の場合、工作機材といったらノコギリやハンドドリルといった手動のものしか持っていません。安物のジグソーは持っているのですが、細かい作業に使うには精度が今ひとつ、加えてうるさくて夜は使えません。可能な加工も、木工や、せいぜい塩ビ管までです。 そんな制約の中で、そこそこ使い物になるものをつくろうと思うと、ある程度は材料を吟味しないといけません。吟味というと格好いいですが、要は既製品を上手く流用することです。 きりん式経緯台の最大の難点は耳軸の加工だったのですが、これ用のちょうどいい部材が見つかったので、今回の製作に乗り出したのでした。 |