塩屋天体観測所|プラネタリウム・天文台訪問記
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45m鏡の裏手に、観測棟と展示室があります。
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観測棟と展示室(2階が展示室) |
展示室内 |
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かつてのコンソール |
アンテナのパネル上で履く「忍者靴」 |
展示室の規模は小さいのですが、電波天文学のパネル説明や、45m鏡建設中の写真(色あせてましたけど、それがまたいい味出してます)などなど、なかなか興味深いです。
有名どころでは「忍者靴」の実物。パラボラのパネル上で作業をするときに、パネルの一ヶ所に体重をかけて鏡面を変形させてしまうことのないよう、厚底幅広の特製靴を履くのです。
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パラボラのパネル。長辺が2mちょっと |
アルミのハニカム構造で軽量化 |
パラボラ表面のパネルの展示もありました。四隅の穴にモーターが付いて微妙な角度の制御を行うそうです。
電波を反射するのは白い部分ではなく、その内側の銀分の幕。黒い部分はカーボン繊維で、これは熱膨張が小さいことを見込まれての採用。
表面が白いのは、太陽光を反射・散乱させて、熱を吸収するのを防ぐためです。反射するだけならアルミ膜でもよさそうですが、うっかり太陽光が焦点を結ぶとオソロシイことに……散乱させるのも大切なのです。
アンテナ直径:0.8m
アンテナ数:84台
観測周波数:17GHz(左右両円偏波)34GHz(強度のみ)
空間分解能:10秒角(17GHz)5秒角(34GHz)※注:太陽半径は約1,000秒角
時間分解能:0.1秒(活動時)1秒(静穏時)。
小型のパラボラアンテナがズラリと並ぶのは電波ヘリオグラフ。へリオは太陽のことなので、電波太陽望遠鏡というべき観測装置です。1992年から稼動。
直径80cmのパラボラアンテナ84基を東西490m、 南北220mのT字型に配置。口径500m相当の分解能を得ています。細かいところを見るための空間分解能も優れているのですが、1秒間に10コマまで撮像できる時間分解能も世界トップクラスで、フレアなどの激しい現象の観測にも力を発揮します。
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このスケール感は表現しがたいです |
ヘリオグラフのパラボラは常に「ひまわり」 |
小さなアンテナが広範囲に散らばっているので、見学ルートからの写真映えはしないのですが、現地で姿を見ると45m鏡とひと味違うスケール感に圧倒されます。
太陽観測のための電波望遠鏡なので、パラボラは常に太陽を指向し、副鏡の影は常に主鏡の中心に落ちています。人工のひまわりがズラリと並んでいるようです。
太陽電波は曇天でも観測できます。2004年6月8日に起こった金星の太陽面通過は、日本国内のほとんどの地域が悪天候で観測できなかったのですが、野辺山の電波ヘリオグラフは雲の向こうの現象を見事にとらえたのでした。当日は関西も曇ってしまったので、明石市立天文科学館のPCから、インターネットで電波ヘリオグラフの画像を見たのを覚えています。
観測周波数:1、2、3.75、9.4、17、35、80GHzの7周波数
観測視野:太陽全面
空間分解能:なし(太陽全面からの電波を計測)
時間分解能:0.1秒
強烈な個性のパラボラアンテナが並ぶ野辺山で、いちばん地味目なのが強度偏派計。一般公開のルートから少し離れたところに並んでいます。7つの周波数で太陽電波の強度と偏波(電波の振動の向き)をモニタリングしています。
地味とはいってもただ者ではないのが野辺山で、口径の違うパラボラが8基、常時、太陽を向いて口を開けている姿は、それなりに壮観です。赤道儀に載ってるパラボラアンテナが並んでいる姿って、なかなかお目にかかる機会はありません。
ちなみに赤道儀は6台ですが、写真の一番手前の赤道儀に、3つアンテナが載っているので、アンテナは8つ。でも観測周波数は7周波数なのに、アンテナは8つ。あれっ!?
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ヘリオグラフのアンテナ |
2台のアンテナが連動しています |
現用のアンテナや、かつて使われていたアンテナがいくつか屋外展示されています。パンフレットに何か書いてあるだろうと思って、案内板は流し読みしてしまったのですが、不覚! 何も書いてなくて、何も覚えていません。
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そういえば西はりまの入口にあった |
そうそう、このアンテナは兵庫県立西はりま天文台公園の入口にあります。敷地の入口で、本館からずいぶん離れた場所にあるので、いつもすぐ通り過ぎてしまいます。
天文台に隣接して、南牧村農村文化情報交流館(ベジタボール・ウィズ)があります。村の観光案内所兼図書館といった施設です。
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とりあえず外観 |
どこかで見たポスター |
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パラボラ広場 |
案内板 |
前庭が「パラボラ広場」と名付けられた、直径45mの円形の広場になっています。45m鏡の面積を味わうのに最適。これはグッドアイディア。
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ドーム型シアター内部 |
初代バーチャリウム |
ドーム型シアターでは五藤光学のバーチャリウムを利用した投影を行っています。初代バーチャリウムなので、今となっては解像度が見劣りするのは致し方のないところ。番組は、アストロアーツの天文ソフト「ステラナビゲーター」のオート解説そのものです。こういう時代もあったんですねぇ。
屋上からの天文台の眺め。やっぱり天を仰ぐパラボラアンテナは素敵です。
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オモチャの教会のような野辺山駅 |
駅名標 |
天文台最寄りの野辺山駅。駅名標もパラボラアンテナです。
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JR線最高所の駅 |
こちらはJR最高地点 |
駅の標高は1345.67m。普通鉄道の駅としては日本でいちばん高いところの駅として知られています。天文台からもそう遠くない場所には、JRの最高標高地点(1375m)もあります。
(2006.8.21訪問/2007.8.1記)