塩屋天体観測所プラネタリウム・天文台訪問記
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南極観測船「しらせ」(初代)(2)

(2005.10.2訪問/2006.6.17記)

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腹が減っては戦が出来ぬ

食堂

椅子はひもで半固定

 船内設備を順不同でご紹介。まずは食堂から。といっても、一見ふつうに椅子とテーブルが並んでいます。ただし、揺れたときにあまり動かないよう、ひもで半固定状態になっています。これはカーフェリーなどでも同様です。

食堂にあった観測隊の名札

報道のお二人は朝日新聞の南極プロジェクト

 食堂には観測隊員の名札がかかっていました。報道の中山さんと松田さんは、朝日新聞の南極プロジェクトとして第45次隊に同行された方です。中山さんは女性記者としてはじめて越冬隊に同行されたのだとか。

しらせの絵

消防服と潜水服

 大きな額に「しらせ」の絵が飾ってありましたどことなくユーモラスなタッチです。廊下にいきなり消防服と潜水服が掛かっている場所がありました。こんな服を着るのって、非常時だけですよね。コワッ。

健康第一、身なりも清潔に

医務室入口

医務室内風景

 長い航海ですので、医務室も完備。どことなく、地方の街の診療所といった趣です。木製の棚や机のおかげでしょうか。血圧計が真ん中に置いてあるのが、日頃の需要を偲ばせます。

歯科室入口

歯科室内風景

 歯医者さんだってあります。中を覗くと、こちらはどう見ても歯医者そのもの。航海中にここのお世話にはなりたくないです。歯を削っているときに船が揺れたりしたら……ゾゾッ〜っ。

理容室

理容室風景
こんな理髪屋は恐いです 「まぁいいか!」って何だ、それは!

 そして理容店までありました。っと、店じゃないですね。なにせ無料なのですから。

 その名も「タイガーカットハウスしらせ」。お医者さんは本職が乗り込んでいるのですが、理容師さんはいないので、隊員同士で髪を切るのだそうです。で、腕前は……お店の名前が物語っているのでしょう(汗)。二頭のトラが暖かい眼差しで頬を寄せ合っているイラストが不気味です。

 「失敗と絶望」という名の
星のもとで鋏と櫛を手に
考える──────。
「まぁいいか!」

 噂によると、丸刈りにしちゃう人が多いそうです。それが無難だと思います。

予約ボード

酒保

 そんな恐怖の理容室にも予約ボードがありました。そんなに人気なのか(汗)。理容室の隣は「酒保」。売店のことです。こんな言葉が生きているのですね。

お風呂もあります

こちらはお手洗い

 お風呂もお手洗いもあります。お風呂は自衛隊員と観測隊で分けているようです。写真は観測隊の第二浴室。

 お手洗いは海水を流さなければいけません。って、流す人が切り替えられるのか?

 

注意事項たくさん

さらにお願い

 注意事項が「〜せよ」「〜するな」。ぜんぶ命令形。さすが自衛艦。

 「しらせ」のため池(という名の肥溜め)で飼ってるバクテリアは「バクちゃん」と言う名だそうです。

艦内いろいろ

 

艦長の基本方針

それなりに悩みもあります

 艦長の基本方針は「愚痴を言わずにもうひと頑張り」。なんか庶民的です。

 「人生・職場の相談室」なんて貼り紙もありました。極地へ行っても人の悩みは尽きぬものです。

 

禁止されてしまいました

脱出口

 携帯禁止区域。これは見学者向けでなく、乗員向けのものみたいです。

 艦内各所にある脱出口。開けたらどこにつながるのかは謎。

 
しらせの銘板

 「しらせ」の銘板もありました。建造は日本鋼管鶴見製作所。日本鋼管は初代南極観測船「宗谷」の大改装を行った会社です。「しらせ」の後継艦も、日本鋼管の造船部門の後継会社であるユニバーサル造船が受注しています。ただし建造は鶴見でなく、舞鶴となります。

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(2005.10.2訪問/2006.6.17記)

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