塩屋天体観測所観測記録室
前のページへ戻る

WINDロケット実験(2007年9月2日)

日時:2007年9月2日 19時26〜29分
観測地:神戸市垂水区
機材等:ニコン7×50SP双眼鏡

観測ロケットS-520-23号機打ち上げ

 延期されていたWINDロケット実験が、9月2日夕方、実施されました。以下は高知工科大学のサイトに掲載されていた実験時刻です。

★ 現時点での打上げ日時 2007年9月2日(日) 19:20:00 JST
 リチウム放出は、打上げ時刻を基準として設定された秒時に実施されます。
 以下、9月2日(日)19:20:00 JST打上げを仮定した場合には、
☆ 第1回リチウム放出予定時刻 2007年9月2日(日) 19:26:13 JST
☆ 第2回リチウム放出予定時刻 2007年9月2日(日) 19:26:53 JST
☆ 第3回リチウム放出予定時刻 2007年9月2日(日) 19:27:34 JST

 幸い垂水区では天候に恵まれ、肉眼では広がっていくリチウムの赤い雲を4分弱ほど見ることが出来ました。

 初めは彗星状といってよいような三角形の雲が、徐々に丸く広がり、拡散していくように見えました。スケッチを取る準備はしていなかったので、上の2枚の画像は家に帰ってから思い出しながら書いたものです(だから適当)。視野円は双眼鏡の7度ですが、肉眼でも十分に見えていました。

 明るさは……雲の明るさを見積もったことがないのでなんとも言い難いのですが、街明かりに照らされて浮かんでいる自然の雲と、ほぼ同程度でした。

 リチウムは3回に分けて放出されたはずですが、眼視ではそのようすは分かりませんでした。19時26分30秒過ぎに赤い雲が見え始めて、その後は拡散して見えなくなるまでの4分弱、ずっと見え続けていました。

 消失直前はこんな感じで、さそり座の尾のあたりに見えていました(背景の星図はステラナビゲーターVer.5で作成)。正直、余裕がなくて、うかつにもこの時まで、背景の星座のどのあたりに見えているのかの確認を怠っていました。

撮像は残念

 眼視がいい加減だったのは、 今回はデジカメで動画の撮像に挑戦していて、もしそちらが写れば、多少は有意なデータになるかもしれないと思い、まじめな準備はそちらに集中していたためです。

 ただし、手持ちのCanon PowerShotA70はもともと感度が低いデジカメで、さらにリチウムの発光が波長670.8nmの赤色光で、撮像できる可能性は高くありません。しかし「発光 開始直後では月ぐらいの明るさ・見かけの大きさ」と予想されていたので、その通りに見えれば一瞬でも写ってくれるかもしれないと思いました。

 が、残念ながらこちらは予定通りに(?)撮像に失敗。カメラの画角には入っていたはずなのですが、やはり感度不足のようでした。

 いちおうアップしてありますが、本当になにも写っていないようです。撮影開始が19:25過ぎ。風の音に埋もれてかすかに聞こえる時報は携帯電話のものなので、0.2秒ほどの遅延がある可能性があります。

追記:せんだい宇宙館のギャラリーに、写真が掲載されています。鹿児島からだとやぎ座の方向にみえたのですね。

(2007.9.2記 福田和昭)

塩屋天体観測所観測記録室
このページの先頭へ戻る前のページへ戻る