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C/2001 Q4 ニート彗星


撮影日時:2004年5月14日 20時22分〜23分、露出 15秒×4枚(固定撮影)
撮影地:神戸市垂水区
撮影機材等:キヤノン Powershot A70 5.4-16.2mm(5.4mm側で撮影) F2.8 ISO50設定
※コンポジット、明るさ・コントラスト・レベル補正、トリミング、縮小処理済み

■5月14日 コンパクトデジカメで撮影

 このサイトに天体写真が出てくることは珍しいのだが、その珍品。
 「二大彗星接近!」と話題になったその一つ、C/2001 Q4 ニート彗星だ。当初の予報よりちょっと暗めで、残念がっている人も多いと思うが、期待の分を割り引いてみれば、久しぶりの明るい彗星には違いない。なにせ神戸市内でも、7×50双眼鏡を向けたら、一発で見つかるくらいなのだ。といっても4等級程度で、さすがに肉眼では無理。

 ならば写真ではどうか。最近は一眼レフデジカメが流行だが、価格がこなれたとはいえ、正直手が出ないので、手持ちのコンパクトデジカメで撮ってみた。デジカメの液晶画面では星など見えず、どこを向いているのかさっぱり分からないので、彗星を見ている望遠鏡の鏡筒バンドに載せて空に向けてみた。架台は経緯台なので、固定撮影となる。露出時間は最大15秒しか撮れないし、レンズも35mm版換算で35mm広角相当なので、ガイド撮影は不要だ。

 で、どうなったかというと、写っちゃいました。
 デジカメのモニタではかすかにしか分からなかったけど、PCに取り込むと……やっぱりかすかだ(>_<)。まぁ仕方がない、写っているだけ上出来だ。上に掲載した写真は縮小しているのでよく分からないけど、実はニート彗星の上方にM44もなんとか写っている。

 スナップ用に買ったデジカメだけど、う〜ん、捨てたものではない。
 もっとも、天体写真は一般的に、眼視のイメージよりずっとずっと見栄え良く写るものなのだが、今回ばかりは双眼鏡で見たほうがずっとずっときれいでした。M44と一緒にボーっとした彗星のコマの広がりが浮かんでいたのだから。
 元の画角はこんなもの。これだけ広い範囲が写るのなら望遠鏡に同架しなくても良かったかも。ふだんは空なんか撮らないので、全然感覚がつかめなかったのだ。ちなみに鏡筒はBORG100アクロマート。
 ちなみに広角だけでなく、望遠側でも撮ってみたのだが、こっちはどことなくピントが甘く、見るに耐える写真になっていなかった。彗星自体はかすかに写っていたんだけれど。

(2004.5.15 福田和昭 記)


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