塩屋天体観測所|東経135度子午線を訪ねて|子午線道中膝栗毛
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(2005年2月27日訪問/2005年3月1日記)
実は友ヶ島、神戸からでも見えるのです。上の写真、蜃気楼の一種「浮島現象」を狙ったものなので、ちょっと不思議なことになっていますが、秋から冬の空気の澄んだ日であれば、かなりの確率で海の向こうの友ヶ島を見ることが出来ます。私の住んでいる垂水区からだと、直線距離で40km。大阪までの距離とほとんど一緒です。
ただし、実際に足を運ぶとなると話は別。大阪湾をぐるりと迂回して、和歌山は加太港まで行かないと友ヶ島への便がありません。その道のり、なんと130km。3倍以上の遠回りです。どんなに急いでも片道3時間半はかかります。往復7時間以上となると、日帰りの行程ではちょっとしんどい。
まして友ヶ島に足を運んでも、肝心の子午線標識があるかどうかは分からないのです。
そんなこんなで、電車の窓から友ヶ島を眺めながら、ちょっと二の足を踏んでいたのでした。
2005年に入って、耳寄りな情報が入ってきました。和歌山市子ども科学館で、特別展「高城武夫と和歌山天文館 」を開催しているというのです。そうです、友ヶ島に子午線標石があると書き残した高城武夫さんです。
これは願ってもない機会。もしかしたら友ヶ島に関しても、何か新しい情報があるかもしれません。また子ども科学館の方が子午線に関して何か存じておられるかもしれません。
特別展のことを知ったのは2005年2月でしたが、冬季の友ヶ島は観光のオフシーズンで、定期便は土日休日のみの運行、しかも一日三便に減便されています。いっそのこと和歌山に泊まって、一日目に子ども科学館、二日目を友ヶ島調査に充てよう。あわせて近くの天文施設もということで、一日目の午前中に大阪府貝塚市の貝塚市立善兵衛ランドの見学を組み込みます。これで万が一友ヶ島で収穫がなくても、十分満足して帰れます。
決行は2月19日(土)・20日(日)。
低気圧も予報より速く通過し、天気も何とか、雨は避けられそうです。
ところが、出発前日になって知ったのです。実はず〜っと「友ヶ島」を「友が島」だと思っていて、いくら検索をかけても友ヶ島汽船のサイトを見つけることが出来なかったんです。たまたま何かの拍子に「友ヶ島」と打ち込んで検索したら、偶然引っかかってきたのですが、そこで見つけた重要情報。
船舶検査(ドッグ)のおしらせ
2005年1月31日〜2月25日の間、船舶検査の為休業いたします。
……着替えから何から詰め込んで、あとは明朝出発するだけだったのに、そりゃないよ。
友ヶ島への渡航計画はドッグ明けの2月26日(土)・27日(日)に延期。
3月に入ると年度末で何かと忙しいですし、2月中なら和歌山市立子ども科学館で、高城武夫さんの録音テープによる投影があります。もう一つ、3月に入ると船の運航が通常ダイヤに戻ります。それはそれで便利なのですが、どうせなら人の少なそうな時期に行ってみたい。なにせ目的がまともじゃないですし、せっかく無人島へ行くのですから。そう、友ヶ島って、無人島なんです。
ドッグ休航にこりて、今回は出発前日にあらかじめ友ヶ島汽船に電話して運行状況を確認しておきます。念のため。
「はい、友ヶ島汽船です」
「えっと、明日・明後日の週末なんですけど、友ヶ島行きの船は出ていますよね?」
「ええ、土日ですから、晴れていれば出ると思います」
……船が出るかどうか、天気で決まるんですか。
「時間は何時ですか?」
「えっと、最初の便が9時ごろです」
……「ごろ」ってなんですか、「ごろ」って。
まぁ、オフシーズンということで、客の多寡によって多少の運行調整をしているのかもしれません。何はともあれ、友ヶ島への便は大丈夫そうです。2002年から苦節2年半、いよいよ友ヶ島への道が開けました。
(2005年2月27日訪問/2005年3月2日記)