塩屋天体観測所プラネタリウム・天文台訪問記
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パークス天文台訪問記 その2
2002年12月6日・7日

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ビジターセンター

ビジターセンター 最初に訪れたのが“Visitors Discovery Centre”。一般見学者用の展示館です。こんな草原の中まで、年間10万人もの人々がやってくるのだそうです。

 左写真、奥にあるのが64m鏡で、その手前の黒く写っている平屋の建物がビジターセンターです。

 写真の左隅の木の陰に小さな……といっても2mほどのパラボラが写っていますが、これは反対側にも同じパラボラが置いてあって、空気電話の仕掛けになっています。回転放物面の集音力を体験して、パラボラアンテナの仕組みを感覚的に理解できます。


建物の前庭にあった日時計、北半球と文字盤が逆
「反時計回り」に影が進みます

入り口には“THE DISH”のポスター

ビジターセンター内部

パラボラのミニチュア、リモコンで動かせます

 館内の展示物はいたってシンプル。天文台の観測成果より、NASAをはじめとする宇宙船や探査機の支援を紹介するコーナーに力が入っているのは、映画の影響なのでしょうか。解説はすべて英語ですが、星や宇宙の話ですから、単語を追いかけていればなんとか分かった気分になります。

 窓側に並んだディスプレイには、現在観測中らしきいろんなデータや数値が映っているのですが、こちらは見ているだけではちょっと意味が分かりませんでした。

 一番奥に透明のドームに収まった64m鏡のミニチュアがあるのですが、これが非常に精巧に出来ていて、あちこち動かすのはなかなか楽しいです。

 それとビジターセンターに小さなミュージアムショップが併設されていて、みなさんここでの買い物に夢中になっていました。土産物用に気の利いた小物がたくさん置いてあります。

アポロ11号当時を紹介するパネル さまざまな探査ミッション支援の歴史

64m電波望遠鏡

正面側から見た64m鏡

 パークス天文台の主要観測機器は、64m電波望遠鏡です。可動式の電波望遠鏡では、ドイツ・ボンの100m鏡、イギリス・ジョドレルバンクの76m鏡に次ぐ世界第3位の大きさ。南天では第1位の電波望遠鏡です。

 日本の電波望遠鏡では、野辺山の45m鏡が有名ですが、野辺山がミリ波の観測をしているのに対し、パークスの観測対象はもう少し長い波長のセンチ波です。当初は水素原子の出す21cm波の観測が目標だったそうなのですが、思っていたより精度が良くて、もっと短い波長の観測もしています。パラボラ鏡面は、外周部のスチールワイヤーメッシュ(金網)パネル部と中央部のアルミニウムパネルを貼った部分に分かれています。アルミパネルの方が短い波長まで反射するのですが、よく見ると、中心部とその周りで微妙に色が違うことが分かります。

 望遠鏡の建造当初は、中心部の白い部分しかアルミパネルが貼られていなかったのですが、後に上の写真の部分まで拡大されました。その後2003年3月に改修工事が行われ、現在は直径55mの部分まで、アルミパネルが拡大されています。一件ツルツルに見えるアルミパネルですが、本当はボコボコに丸穴が開けられたシースルー状態です。

 現在はパルサーの捜索などに活躍し、改良を重ね、いまも第一線の性能を保持しているそうです。

いざ、内部潜入

 通常の訪問ならここまでなのですが、今回は電波天文学者の「森本おじさん」こと森本雅樹先生の紹介で、さらに内部まで案内して頂きました。ヘルメットをかぶせられて、いざ、出発です。

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(2002年12月6日・7日/2003年9月22日記)

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