塩屋天体観測所|プラネタリウム・天文台訪問記|明石星の友の会活動紹介・海賊版
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ツァイス&メガスターの期間中、1階ロビーの片隅で行われている展示会。ツァイスプラネタリウムから取り外した部品を日替わりで展示するという、マニア垂涎の企画です。
ここでガラスケースにカメラを押しつけて写真を撮っている人を見かけたら、相当のプラネ好きとみて間違いないでしょう。
周囲に貼ってあるポスターも密かにマニアック。五島プラネタリウム閉館時のポスターなんてどこから引っぱり出してきたのでしょう!
恒星原盤を手に持ち解説するのは、アヤシイ巻きひげを口元にまとった「バラバラはかせ」。マッドサイエンティスト風ですが、趣味はバードウオッチングという噂。
※バラバラはかせのヒゲはイメージです。若干の誇張表現がありますことをご承知ください。
天文春分祭が終わってからは、「メガスターで楽しむ天の川の名所めぐり」という特別投影が始まりました。
土日にこの特別投影が行われるのは、24日の2回目の投影が初めてになります。毎回、2回目の投影は混雑するのですが、この日も1階まで行列が延びました。
24日は、2回目の井上さんの投影と、4回目の鈴木さんの投影を観ました。
前半は通常の星座解説。後半はタイトル通り、メガスターで映し出される天の川周辺の星雲・星団を次々と紹介していきます。双眼鏡を持ってきている人は次々と視野を振っていくのですが、そうでない人のためには、解説に合わせて星空のスライドが上映されます。
これが、実際の星空ではなく、メガスターIIの星空を撮影したものだというのですから、茶目っ気たっぷりです。何も説明なしで見せられたら、すぐには区別が付かない写真です。実際、双眼鏡を持っている人も、スライドで位置を示してもらうと、自分で気付かない星団も発見できます。なかなかのアイデアもの。
冬の綺羅星のごとき……って綺羅星そのまんまの星雲・星団から春空のプレセペ、そして南半球へと下り、天の川を北上して銀河中心のいて・さそり方面まで。さながらメシエマラソンのようなお腹いっぱいの投影でした。
3回目の藤田さんの投影を観ました。
イベント開始から一週間。ツァイスとメガスターのツーショットもすっかりなじんだ風景となりました。
観る方も安心しすぎて、ちょっとお休みモード。気が付くとツァイスの空がメガスターの空に移り変わるところでした。双眼鏡をかざして、特別投影で探した星雲・星団の復習をしたりします。
「星の王子さま」の話題を終え、カウントダウンでメガスターの灯を落とす藤田さん。名残惜しさと、一瞬の暗闇と、目が慣れるに連れ広がるツァイスの星々。解説陣のみなさんも、2つの投影機の使い分けを、すっかりお手の物にされています。
明石駅南側の花壇も、天文科学館の絵柄になっています。うーん、この写真だと分かりにくいのですが、実物を見てみると、なかなかよくできたデザインです。
最終日は午後から参加。
14:00頃に館に到着すると、前の道には駐車場待ちの車の列。実は館の向かいの駐車場が満車で、館の敷地内にもお客さんの車を停めるという盛況ぶり。ちょっとビビりました。
特に意味もなくセピア色で撮影してみた投影機。とたんに時代がかって見えます(実際古いんですが)。
4回目、鈴木さんの投影。今イベントの特別投影の最終プログラム。
今回は星座解説をツァイスの星空で引っ張るパターン。見慣れた星空の解説は、やっぱりちょっとホッとします。
北東側の席に陣取ったのは理由があって、この角度だと、メガスターの空が南天に移るとき、銀河中心部がツァイス投影機をシルエットに地平線からせり上がって来るんですね。これが、格好いいのです。計算通りの演出効果でした。
ちょうど東の地平線上にはくちょう座が見えていて、投影機のはるか頭上に銀河中心、そして西空に下ってサザンクロス。おお、これぞ「銀河鉄道の夜」の世界(ふくはらさんのサイトを読んで狙ってました)。いつかどこかで、こんな星空を見る機会に恵まれてみたいものです。
メガスターの灯が消えると、再び投影機の向こうに銀河中心部。今度は黄色みがかったツァイスの天の川。薄明と朝焼けの光に星々が溶けていき、そして日の出。
3月25日、5回目の投影。ツァイス&メガスターの最終投影です。解説台に立つのは井上さん。
整理券はすべて出払って、満席状態。ざわめいた中にもどこかいつもと違う雰囲気があります。天文科学館に来たのは初めてだったり、小中学校の学習投影以来だったりというお客さんも多いようで、久しぶりのプラネタリウムにちょっぴり緊張気味なのかもしれません。
そこは絶妙な語り口で、夕空に一番星が見え始め、やがて空一面に星々が広がるころには、ドーム内の固さもすっかり星空のかなたに消えてしまいます。
やがて街灯りを一掃した星空にどよめく観客。「でもこれはまだ、ツァイスの星空なんですよ」と井上さん。
ツァイスとメガスターの灯が入れ替わると、星の色が薄黄色から白色に変化します。やがて目が慣れると浮かび上がる無数の星々。声にならないどよめきがドームを駆けめぐります。
投影の最後に二重映しになるツァイスとメガスターの2本の天の川。
30億年後、銀河系とアンドロメダ銀河が衝突するとき、もしかしたらこのような光景を見ることが出来るのかもしれません。銀河の腕と銀河のバルジの部分が重なったら、こんな色の違う天の川が広がるのでしょうか。時空をはるかに超えた星空を演出し、メガスターの灯は落とされたのでした。
ひときわ大きな拍手で投影が終わると、席を立とうとする観客を井上さんが引き留めます。
解説台に現れたのは、メガスター開発者の大平貴之さん。今回のイベントを通じて、自分自身が学んだことも多かったことなど、訥々と、でもしっかりとした言葉で語られました。再びドームに響き渡る万雷の拍手。
写真は大平さんの挨拶のあと、解説台を取り囲むお客さんたち。2台の投影機のまわりでもシャッターを切る音が響き続けます。名残惜しいひととき。
この一週間、充実した時間をたくさん過ごすことが出来ました。ツァイスとメガスターの2台の投影機、幾度も明石に足を運ばれサプライズゲストまでこなされた大平さん、そして投影を演出し、事前の準備からこれからの後片付けまで表に裏に活躍された天文科学館のみなさんに感謝です。
本当にありがとうございました。