塩屋天体観測所観測記録室
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2009年7月20日〜25日 皆既日食クルーズ(1)

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2009年7月22日11:25。小笠原・北硫黄島東方沖の「ふじ丸」船上にて撮影。
第二接触のダイヤモンドリング。
miniBORG60ED直焦点(D=60mm,f=350mm)+Nikon D5000。
ISO400,露出1/2000秒,トリミング済。

兵庫県立大学公開講座「黒い太陽の神秘に迫る」

 2009年7月22日の皆既日食は、インド〜中国〜トカラ列島・奄美大島・屋久島〜小笠原近海を皆既帯が通過しました。

 今回は日本チャータークルーズの客船「ふじ丸」を利用した観測クルーズに参加しました。主催は兵庫県立大学。一般向けの公開講座「日食観測アカデミック・ツーリズム・プログラム『黒い太陽の神秘に迫る』」という位置付けです。

 目的地は皆既食の時間が最大となる小笠原・北硫黄島近海。船上では公開講座が開講され、日食の翌日には小笠原の父島にも上陸する、5泊6日のクルーズです。

2009年7月20日 姫路港

 乗船前の行列をつくっているのが今回の参加者。総勢約500名とのこと。観測機材を抱えているので、山のような荷物の人が少なくありません。

 姫路港にはボーディングブリッジ(搭乗橋)がないので、タラップによる乗船です。重い荷物はどうしたものかと思ったのですが、「ふじ丸」のクルーがサポートしてくださり、無事にエントランスロビーにたどり着きます。

15:15 姫路出港

 出港日の7月20日は「海の日」。折しも姫路港開港50周年で、「ふじ丸」の出港も港のイベントに組み込まれていました。消防音楽隊や和太鼓の演奏が、旅立ちに華を添えます。

 乗客に配られる紙テープ。デッキではカクテルが配られ(もちろんソフトドリンクもあります)、やがて出港合図の銅鑼がジャンジャン鳴り響きます。

 乱舞する紙テープ。そして「ふじ丸」は岸壁を離れ、長声の汽笛が辺りの空気を震わせます。

 消防艇の放水による見送り。最大級の歓待で、姫路港を送り出していただきました。

オリエンテーション・開講式

 県立大学の公開講座なので、オリエンテーションや講座の開講式がしっかり行われます。「ふじ丸」は研修用途も想定した船なので、500人を越える乗客全員が集まれるホールが船内にあります。上の写真を見る限りでは、とても船の中とは思えません。

 予定時間を大幅に超過した県立大学の紹介。兵庫県内の3つの公立大学が2004年に合併して出来た、比較的新しい大学です。西はりま天文台もこの一翼を担っています。

 続いて今回のクルーズのリーダー、黒田武彦さんのあいさつ。今回のクルーズは6年前……2003年から準備を進めてきたそうです。

 壇上に並ぶは、今回のクルーズを支える講師陣や西はりまの友の会のメンバーを中心としたスタッフ陣。よろしくお願いいたします。

 一通りの案内が終わって外に出ると、すでに明石海峡大橋を通過して、我が家の塩屋沖を航行していました。奥にかすむは須磨の鉢伏・旗振山。神戸の景色もしばしの別れです。

17:30 ウェルカムパーティー

 7月20日の夕食は、立食形式のウェルカムパーティー。私はお酒を飲まないので、基本的に食べ方専門なのですが……食べきれないほどの料理が並んでいます。ケーキやら何やらデザートもいっぱい。

 500人も乗っていれば、知り合いも少なからずいるもので、明石・神戸など近隣の星仲間から、2002年のオーストラリア皆既日食のツアー(西はりまと明石の友の会の合同企画)以来6年半ぶりの再会の方などなど、いろんな人に声をかけたりかけられたり。

18:30 友ヶ島通過

 紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島は、東経135度日本標準時子午線通過日本最南端の地です。GPS持ちだしてる人も複数。こんなことで喜べるおめでたい人たちです。

 明石市立天文科学館星の友の会から参加したメンバーで集まって、友ヶ島をバックに記念撮影。ちなみにこの航海中、東経135度子午線を6回通過します。

20:00 ミニ講演/20:30 アクアマリンコンサート

 「ふじ丸」の船内には、ホールやロビーやラウンジなど、人が集まれるスペースがたくさんあります。そんな部屋を利用して、夕食後はいろんなお楽しみメニューが組まれています。

 初日のミニ講演には、海部宣男さんが登場。世界天文年日本委員会の委員長ていうか、国立天文台の前の台長さんです。演題は「星と七夕の話」なのですが、しっかり世界天文年の説明に持っていきます。

 海部さんの次に登場するのはアクアマリン。プラネタリウムや公開天文台のイベントではおなじみの二人組ユニットで、今回のクルーズでは期間中に3回のライブがあります。

21:30 サイエンストーク

 21:30スタートという大人向けの設定ですが、これも寝る場所が同じ船の中という気軽さあってこそ。同じ時間の別会場ではピアノコンサートをやっています。

 日替わりのサイエンストークのトップバッターは、森本おじさん明珍火箸の明珍宗理さん。おじさんはダークマターで聴衆を煙に巻き、明珍さんは火箸の音色で聴衆を魅了します。「続きはバーでやりましょう」と締める辺りが、姫路で飲んでるのと変わらないノリです。

22:30 夜食

 食べ物には困らないのがこの手のクルーズで、22:30を過ぎると、ダイニングホールで夜食が供されます。夕食をさんざん食べたのに、出てくる食事はとりあえず食べたくなります。

 デッキに出て、空を見上げると、どんより一面の曇り空。海上で湿度も高く、カメラのキャップを外した途端にレンズが真っ白に曇ります。お天気、大丈夫なのでしょうか。

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(2009.8.7記 福田和昭)

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