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2003年火星大接近

 2003年8月27日、私たちが生きている間で最高の条件の火星大接近が起こります。
 最近はデジカメやビデオカメラで惑星の写真を撮ることが一般化していますが、私、貧乏人なので、一番安上がりなスケッチで記録を残すことにしました。
 気が向いたら望遠鏡を向けて付け足していく予定です。シュミレーションは「火星くるくる(AstroArts)」で制作しています。

 ・火星観測証明書の紹介 パート2です(2003.12.2追加)
 ・火星と月の接近の写真を撮りました(2003.9.9撮影/2003.9.10追加)
 ・火星の石(火星隕石)に超大接近(2003.8.31追加)
 ・火星観測証明書を頂きました(2003.8.27の分/2003.8.28追加)
 ・アポダイジングマスクをつくってみました(2003.8.11追加)
 ・観測機材の紹介はこちら(2003.8.7追加)
2003年9月22日21:34(JST)

 中央経度290.3度 中央緯度-19.4度
 視直径22.3秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 2/5 透明度 5/5


 時間を置いて、少しシーイングが落ち着いてきました。大シルチスがほぼ正面に来ているのを見るのは、今回の大接近では初めてです(前回の観測好機、お盆の頃も悪天候でした)。
 極冠はほとんど点のようにしか見えません。注意してみないと、見落としそうなほどです。
スケッチ シュミレーション
2003年9月22日20:15(JST)

 中央経度271度 中央緯度-19.4度
 視直径22.3秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 1/5 透明度 5/5


 天候に恵まれず、ほぼ一週間ぶりのスケッチとなりました。台風が抜けて透明度は良かったのですが、シーイングは最悪。初の1/5でのスケッチです。極冠は見えず、大シルチスなど暗部がようやく確認できただけです。
スケッチ シュミレーション
2003年9月15日21:24(JST)

 中央経度350.8度 中央緯度-19.1度
 視直径23.5秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 2/5 透明度 3/5


 火星の高度が高くなるのがずいぶん早くなりました。と、9月に入ってからずーっとシーイングが良くないのですが、これはすでに秋の気流がやってきたということなのでしょうか。極冠は日に日に小さくなっていきます。大シルチスの上に見えている明るい部分はヘラス盆地でしょうか。
スケッチ シュミレーション
2003年9月13日21:55(JST)

 中央経度16.2度 中央緯度-19度
 視直径23.7秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 2/5 透明度 3/5


 シーイングに恵まれない中でのスケッチです。おまけに雲も次々にやってきて、雲間をついての観測です。子午線の湾も濃く見えますが、オーロラ湾も負けていません。
スケッチ シュミレーション
2003年9月9日22:10頃(JST)

 中央経度55.5度 中央緯度-18.9度
 視直径24.3秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 2/5 透明度 2/5


 20時30分頃、火星と月がランデブーするという現象がありました。その時間帯にスケッチを取ってみようと思ったのですが、上空に強風が吹いているせいか、シーイングは極悪。月の縁まで震えていました。ということで、多少は気流がましになった22時過ぎの観測です。オーロラ湾のあたり、意外に濃く見えます(スケッチではちょっと濃すぎですが)。
スケッチ シュミレーション
2003年9月8日23:30(JST)

 中央経度83.9度 中央緯度-18.9度
 視直径24.4秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 3/5 透明度 2/5


 大接近と衝が過ぎ、火星がのぼってくるのも、南中するのも、ずいぶん早くなりました。23時半ともなると、我が家の南東の窓からは、ひさしの影になって観測不能となります。
 極冠はさらに小さくなりました。太陽湖もよく分かります。明石天文科学館の40cm反射ではマリアネス峡谷も見えたのですが、我が家の13cmではなかなか厳しいですね。
スケッチ シュミレーション
2003年9月4日21:57(JST)

 中央経度96.6度 中央緯度-18.8度
 視直径24.7秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 3/5 透明度 3/5


 太陽湖がほぼ正面に見えました。「火星の目玉」と言われるそうですが、なるほどなぁ、と思います。下まぶたにあたる部分が見えたらマリアネス峡谷なのですが、そこまでは分かりません。
スケッチ シュミレーション
2003年9月2日21:40(JST)

 中央経度110.2度 中央緯度-18.8度
 視直径24.9秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 3/5 透明度 2/5


 久々に自宅での火星観測。最接近前後の一週間というものの、本当に天気に恵まれませんでした。
 今日は並のシーイングで、薄雲がかって透明度も良くなかったのですが、太陽湖の姿を見ることが出来ました。実は生まれて初めてで、結構うれしかったです。
スケッチ シュミレーション
2003年8月27日22:40(JST)

 中央経度177.8度 中央緯度-18.9度
 視直径25.1秒
 望遠鏡 タカハシFS-78(f=630mm)
 アイピース タカハシ Or7mm(90倍)
 シーイング 2/5 透明度 2/5


 火星最接近の日。明石市立天文科学館の観望会。といっても、今回は星の友の会の会員として、手伝いの方です。
 ほんの少しの雲間をぬって、わずかの間、望遠鏡で火星を見ることが出来ました。
 少しでも多くの方に見て頂くために、導入と、ときおり視野から外れていないか確認するだけでした。もちろんスケッチを取ってる時間はありませんので、左の絵は「だいたいこんな感じで見えていたな〜」というのを家で思い出して描いたものです(ですから、あまり正確ではありません)。南半球の東西の筋はよく見えていましたが、極冠は今ひとつ分かりませんでした。他の望遠鏡では見えていたようなので、私が見た瞬間の気流が今ひとつだったのかもしれませんね。
 9月いっぱいはそれほど大きさに差はないと知っていても、やっぱりこの日の姿を見たいというのは人情です。
 この日の火星に巡り会えた幸運を大切にしたいですね。
なんちゃってスケッチ シュミレーション
2003年8月26日22:50(JST)

 中央経度180.0度 中央緯度-18.9度
 視直径25.1秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 2/5 透明度 2/5


 激しい夕立の後、一瞬の晴れ間をついての観測です。望遠鏡を外気に慣らしていなかったのと、すぐに雲がかかって透明度も悪かったので、模様の見え方はよくありません。
 再接近一日前の姿で、1924年の大接近の距離を既に上回っています。
スケッチ シュミレーション
2003年8月24日23:35(JST)

 中央経度217.7度 中央緯度-18.9度
 視直径25.0秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 3/5 透明度 2/5


 薄雲がかかっているような天気。強風でしたが、火星の像は比較的安定して見えました。が、望遠鏡が風で揺れて、困りました。
スケッチ シュミレーション
2003年8月23日22:40(JST)

 中央経度213.1度 中央緯度-19.0度
 視直径25.0秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 2/5 透明度 2/5


 火星の視直径が25秒を越え、21世紀最大の接近状態となりました。極冠が本当に小さくなりました。
スケッチ シュミレーション
2003年8月22日00:05(JST)

 中央経度251.5度 中央緯度-19.0度
 視直径24.9秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 2/5 透明度 3/5


 シーイングが悪く、主な模様が何とか見えるだけでした。ま、こんな日もあります。
スケッチ シュミレーション
2003年8月21日00:25(JST)

 中央経度265.2度 中央緯度-19.0度
 視直径24.8秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 2/5 透明度 3/5


 一つ下の観測から2時間弱、時間を空けてのスケッチです。わずかこれだけの間隔を空けるだけでも、火星が自転しているのが分かります。大シルチスが正面に近づいて、「これぞ火星」というような模様になってきました。
 シーイングが悪くなって、細かい模様が見えなくなったのが残念。ヘラスの辺りがちょっと間、少し明るいように見えたのですが、シュミレーションと比べるとヘラスより南のようですね。見間違えだったのかもしれません。
スケッチ シュミレーション
2003年8月20日22:38(JST)

 中央経度239.2度 中央緯度-19.0度
 視直径24.8秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 3/5 透明度 3/5


 改良型アポダイジングマスクを使用。私の機材の場合では、コントラストの向上というよりは、「明るすぎる火星が減光してくれるので、淡い模様が見やすくなる」というところらしいです。MT-130は斜鏡が大きいので、回折光の低減ということではそれほど効果はなさそう。でもどのみち観察はしやすくなるので、当たりといえば当たりでしょう。何せ安くて簡単に出来たのですから。
 さて今日はお盆の悪天候を挟んで久しぶりの観測。極冠がずいぶん小さくなりました。
スケッチ シュミレーション
2003年8月11日00:26(JST)

 中央経度354.4度 中央緯度-19.5度
 視直径23.8秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 アポダイジングマスク使用
 シーイング 2/5 透明度 3/5


 アポダイジングマスクを使用しての初観測。「見えない模様が見えてくる」ことはありませんが、「見えてる模様が濃く見える」ような効果があります。ただ、劇的と言うほどのものでもなく、比べてみれば何となく、という感じ。簡単に作れるので、他の条件でも試してみたいです。
 今日はシーイングが悪く、検証の条件としても今ひとつ。
スケッチ シュミレーション
2003年8月10日01:30(JST)

 中央経度19.0度 中央緯度-19.5度
 視直径23.7秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 シーイング 4/5 透明度 4/5


 台風一過の澄んだ空。シーイングもまずまずで今シーズン一番の見え味。ほんとはもっと細かいところまで見えているのだが、なにせ火星像が小さくて、がんばってもこの程度しか表現できません。この2倍くらいの倍率をかけて見てみたいものです。
 そういえば南極冠が手前に突き出ているように見えました。
スケッチ シュミレーション
2003年8月6日00:32(JST)

 中央経度40.8度 中央緯度-19.7度
 視直径23.1秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 シーイング 3/5 透明度 3/5


 鏡筒を13cm反射に換装してのスケッチ。像が安定している時間が長いのは6.5cm屈折だが、像が安定した瞬間の見え味は口径分だけ13cm反射の方が勝っている。ということで、今回は2時間くらい温度順応させた鏡筒でチャレンジ。でも淡い模様ばかりなので、なんか上手く表現できない。大シルチスを見たいなぁ。
スケッチ シュミレーション
2003年8月5日00:08(JST)

 中央経度43.9.度 中央緯度-19.8度
 視直径22.9.秒
 望遠鏡 自作65mm屈折(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 シーイング 3/5 透明度 3/5


 なんだかあまりはっきりとした模様が見えなくて、自信のないスケッチです。
 火星表面があまりに明るいので、ムーンフィルターをかませてみたのですが、像がぼやけてコントラストも落ちたので上手くいきませんでした。
 実は手元にある鉛筆が6Bしかなくて、淡い模様の表現が苦手です。そのうちHBかBくらいの鉛筆を調達しなければ。
スケッチ シュミレーション
2003年8月2日23:45(JST)

 中央経度56.4度 中央緯度-19.9度
 視直径22.6.秒
 望遠鏡 自作65mm屈折(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 シーイング 4/5 透明度 3/5


 太陽湖が見える頃だったので、どうかなぁ、と思っていたのですが、やっぱり難物でした。
 気分的にはウジャウジャ模様が見えるのですが、いざスケッチ取ろうと思うと、しっかり見えるものがなくて、ノッペラボーなスケッチになってしまいます。
 ほんとは拡大率をあと倍くらいにしたいのですが、XLアイピースは対物側にバローをかませているようで、BORGのショートエクステンダーをかますとかえって像が悪化します。
スケッチ シュミレーション
2003年7月28日01:05(JST)

 中央経度130.4度 中央緯度-20.2度
 視直径21.5.秒
 望遠鏡 自作65mm屈折(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 シーイング 3/5 透明度 4/5


 梅雨明け後初めての観測。昼間から透明度が良く、シーイングも今シーズンでは一番良かったと思います。中央に見えているのはシレーンの海。極冠の周りの暗部とは少し離れかけたような姿がなんとか分かりました。
 スケッチでは表現できていませんが、南極冠の色が黄色がかって見えました。
スケッチ シュミレーション
2003年7月22日00:39(JST)

 中央経度179.1度 中央緯度-20.5度
 視直径20.4秒
 望遠鏡 自作65mm屈折(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 シーイング 2/5 透明度 3/5


 自作65mm屈折、これまでF2経緯台に載せていたものを、タカハシEM-1S赤道儀に換装。心なしか安定感が増した気がします。
 先入観を持たないように、シュミレーション画像との照合はスケッチ後に行うことにしていますが、今日はシーイングが悪く、なにやら極冠と暗い帯らしきものが見えるだけで、えらく自信のないスケッチでした。
 キンメリアの海からシレーンの海まで、一続きの帯のように見えました。
スケッチ シュミレーション
2003年7月17日02:00(JST)

 中央経度245.1度 中央緯度-20.7度
 視直径19.4秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 シーイング 2/5 透明度 3/5


 今日は十分望遠鏡を外気に慣らしたつもりでしたが、6.5cm屈折よりはシンチレーションの影響を受けやすいようです。前日とほぼ同時刻でのスケッチでしたが、今回の方が多少細かい模様まで見えていました。大シルチスの先が細く感じたのと、南極冠がずいぶん小さくなったような気がします(スケッチではぼかしをかけすぎて、ちょっと小さくなりすぎた気もします)。季節の変わり目を実感できます。
スケッチ シュミレーション
2003年7月16日02:05(JST)

 中央経度255.6度 中央緯度-20.7度
 視直径19.3秒
 望遠鏡 タカハシMT-130(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 シーイング 2/5 透明度 3/5

 13cm反射でスケッチをとってみたのですが、望遠鏡の温度順応が不十分で、大シルチスから小シルチスにかけての暗部がやっと見える程度でした。南極冠が心なしか小さくなったような気がします。
スケッチ シュミレーション
2003年7月8日00:20(JST)

 中央経度304.7度 中央緯度-21度
 視直径17.8秒
 望遠鏡 自作65mm屈折(f=800mm)
 アイピース PENTAX XL5.2mm(154倍)
 シーイング 3/5 透明度 3/5


 生まれて初めて火星のスケッチをしました。正直言って、難しいものです。本当はもう少し細かい模様まで見えている気がするのですが、いざ紙の上に表現しようと思うと、なかなか鉛筆が思うように動きません。
 スケッチは天頂プリズムを使用しましたが、スキャナで取り込んだときに上下反転しました。模様の予習なしで描いたのですが、極冠と大シルチスはとらえています。北極にも明るい部分が見えたのですが、目の錯覚かも。それと、欠けた部分を描き忘れています。
スケッチ シュミレーション

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