塩屋天体観測所プラネタリウム・天文台訪問記
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2005年の科学万博(5)
つくば科学博〜EXPO'85〜から20年

(2005.10.31訪問/2005.11.1記)

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エキスポランドの科学万博残影(前編)

 大阪・吹田市の万博記念公園。1970年、世界の国からこんにちわの日本万国博覧会こと大阪万博の会場跡地です。私が生まれる前の出来事なので、当時のことは知る由もないのですが、父はアメリカ館の月の石を何時間も並んで見たそうです。代々物好きな家系です。

 さて、科学万博に星丸ランドという遊園地があったように、大阪万博にもエキスポランドという遊園地がありました(というか、こちらが先輩です)。そして35年を経た今も(2005年現在)、現役の遊園地としてがんばっています。

 エキスポランドには科学万博の「テクノコスモス館」にあった観覧車と、会場内モノレール「ビスタライナー」が移設されています。今回はこれに乗りに行ってきました。

大阪モノレール車両 万博記念公園駅・駅名標

大阪モノレール

元祖「万博記念公園駅」

 万博記念公園の最寄り駅は大阪モノレールの「万博記念公園駅」です。科学万博記念公園の最寄り駅もつくばエクスプレスの「万博記念公園駅」ですが、大阪は公園の真ん中に駅があるのに対し、つくばはずいぶん離れた場所に駅があります。

ポイント切り替え1 ポイント切り替え2 ポイント切り替え3

正面の門真市方面に接続状態

ポイント切り替え中 阪大病院前方面に切替完了

 万博記念公園駅のすぐ東には世にも珍しいモノレールの分岐点があります。駅前後のポイントならあちこちにあるのでしょうが、ここは路線ごと2系統に分岐しています。レールの一部がヘビのようにうねうね曲がってポイント切り替えが行われます。

いざ、エキスポランド

 

 万博記念公園駅に着くだいぶ前から、太陽の塔が見えています。駅を降りて改めて見上げると、はるばる来たぜ、大阪。そんな気分にさせられます。神戸からだと、1時間少々ですけど、梅田の向こうに行く機会って、意外に少ないんですよね。

大阪万博といったらこれ

青空にステンレス看板が映えます

 太陽の塔と、駅を挟んだ反対側にエキスポランドがあります。岡本太郎さんには後で敬意を表することにして、まずは目的を果たしましょう。

遠くからでも目立つ観覧車

エキスポランドメインゲート

 テクノコスモスの観覧車、こちらも太陽の塔に負けず劣らず遠くから見えています。すっかりエキスポランドのランドマークみたいになっていて、つくば時代を知る者としては、ちょっと複雑なような、でもうれしいような。

 平日の午前ですから、遊園地に人なんかいるはずもありません。……と思ったら意外にいるのです。日曜日のポートピアランドといい勝負かも。

  今回は目的限定なので、フリーパスでなく、普通の入場券で入ります。

ビスタライナー

ビスタライナー駅

ビスタライナーのロゴ(科学万博当時と一緒)

 いきなり見つけてしまいました、ビスタライナー。

 科学万博当時はCブロック・北ゲート付近とDブロック・エキスポプラザ付近を結ぶモノレールでした。

 実は私、乗った記憶がないのです。そういえばDブロックを横断するゴンドラ「スカイライド」も乗っていません。当時は小学生で元気でしたから、わざわざ会場内の移動手段にお金を払おうなんて思わなかったんでしょうね。

ホームにたたずむビスタライナー

エキスポランド最外周部を行く

 乗車料は大人400円(2005年10月現在)。途中駅はなく、遊園地内の環状線を一周して始発駅に戻ってきます。

スッキリしたデザインですが、'80年代の面影も

このアングルだと遊園地の乗り物

 ビスタライナー、なんと17両編成という、新幹線をも上回る日本有数の長大編成の旅客列車です。先頭車両が運転台、2両目がおそらく機関車でしょう。残りの15両が客車で、1両の定員が6名ですから、1編成で90名の輸送力があります。科学万博で使用した4編成のうち、2編成を改造して使用しているそうです。レールの方は1970年の大阪万博時に設置されたミニレールの生き残りとか。まさしく万博遺産というべき鉄道です。

 ビスタライナー乗車

ホームはこんな感じ

ビスタライナーのレール

 20年の時を経て、ビスタライナー初乗りです。レールを見てびっくり。比較するのが間違っているのですが、大阪モノレールと比べると、あまりの細さです。こんな細いレールで、モノレールのビスタライナー、本当に大丈夫なのでしょうか。

自動ドア、オープン

1両を横から見るとこんな感じ

 と、思っているうちにビスタライナー、やってきました。うわっ、ちっちゃい。窓のない吹き抜けの車両で、1両が観覧車のゴンドラみたいな大きさです。科学万博の時は立派なモノレールに見えたのですが、子どもの時の記憶というのは、当てになりません。もちろん小さいといっても、短距離の移動なら十分こなせますし、遊園地や博覧会なら吹き抜けの車両の方が開放感があって似合っています。それにしても、こんなにかわいい車両だったのか。

提供はフジカラー

運転台はこんなのです

 先頭車両は運転台、2両目の人の乗れない車両が機関車でしょう。運転台を覗いてみたら「トラブルの時はメモリをまず見ましょう」と書かれたテープが。もしかしてコンピュータ制御なんでしょうか。それにしても1980年代のコンピューターのメモリって……

まるっきり遊園地のモノレール

下を見るとけっこう高いです

 いよいよ発車です。遊園地のアトラクションをすり抜けながら走ります。運転手のお兄さんが車窓から見える園内のアトラクションを解説してくれます。エキスポランドに入って、とりあえず園内を一回り見学するのに、ちょうど良い乗り物ではないでしょうか。

あれに見えるはテクノコスモス観覧車

うおおっ、科学万博遺産の競演!

 おっと、前方に大きな観覧車が見えてきました。あれぞテクノコスモスの観覧車。1985年の科学万博の遺産が、大阪の地で夢の競演です。

ビスタライナー車庫

車庫の中はスピードを落として通過

 途中にトンネルがあると思ったら、ビスタライナーの車庫でした。同じく科学万博生き残りのもう一つの編成が、屋根の下で体を休めています。

やっぱり太陽の塔

まもなく終点

 車窓に見えるは太陽の塔。遠くに小さく見えているだけでも抜群の存在感です。そしてビスタライナーは環状線を走り終え、静かにホームにすべり込んだのでした。

 ビスタライナーだけでずいぶん長い記事になってしまいました。テクノコスモス観覧車は次のページにて。

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